【柏】工藤壮人 インタビュー「頭は冷静に、心は熱く」

2014年09月30日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「チームが今の順位にいる責任は痛いほど感じるけど、今は平常心で臨む方がいい」

「プレッシャーを楽しみながら、ゴールを重ねていきたい」と話す工藤。結果を残せば、代表復帰の道も開けるはずだ。(C) SOCCER DIGEST

 挫折を味わったワールドカップメンバーの落選から早4か月。
「レイソルで必死にやる」。そのスタンスは一貫しているが、いちサッカー選手として、日本代表を意識しないはずがない。頭は冷静に、それでも心は熱く、工藤壮人は代表の舞台への返り咲きを狙う。
『週刊サッカーダイジェスト』10月7日号(9月24日発売)より
 
――◆――◆――
 
――8月以降、工藤選手、レアンドロ選手、高山選手の関係が良好です。
「開幕当初は前線3人がどう動くのか、後ろの選手が前線をどう生かすのか、手探りな部分が多く、3人や1トップが孤立する状況が結構ありました。もう少しシンプルに試合に臨めていれば……と反省しています。
 今はスタートは僕が右で、薫くんが左、モンちゃん(レアンドロ)がセンターなんですけど、3人のポジションは流動的です。薫くんがセンターに入ってモンちゃんがサイドに流れて起点を作ったり、僕がセンターに入ったり、空いたスペースを上手く埋める状況を作れているので、相手は掴みづらそうに感じますね」
 
――工藤選手自身、22節の甲府戦からナビスコカップ準々決勝2試合を含め、3戦連続ゴールを挙げました。
「それまでもボールをロストせずに、前線で上手く起点になりながらチャンスメイクはできていたと思います。ただ、僕に一番求められているのはやっぱりゴール。守備の負担やゴールが取れないもどかしさの整理に前半戦は苦労したのが正直なところで、甲府戦できっかけを掴んでの3戦連続ゴールは僕にとっても大きかった。気持ちが少し楽になりましたね」
 
――チーム状態が上向き、守備の負担が軽減されたのがやはり大きい?
「今は前線の3人にボランチと両ウイングを含めて、サイド攻撃やセンターで崩せています。もちろん後ろに人数を割けば失点のリスクは減りますけど、それだけではサッカーは勝てない。そこからどう攻撃に出るかを追求していくと、相手の3トップに対して3人のマンツーマンで守らなきゃいけない場面も出てきますし、全体のバランス感覚が共有されてきたと思いますね」
 
――中断明け以降、「中央からのオーガナイズした崩しを追求したい」と話していましたが、ボックス内で勝負できるシーンが増えてきました。
「後ろの選手たちがボールを持った時もそうですし、ボランチからもくさびのボールが増えましたね。ボランチの茨田から裏にスルーパスが出て薫くんがクロスを上げるなど、縦への意識は強くなってきたのかなとは思います。やっぱり横の動きだけでは、相手もスライドして対応すればいい。そこで厳しいボールでも思い切った縦パスを入れることで、相手のブロックを崩せるはずなので」
 
――甲府戦のゴール後に、「自分が決めることの意味を改めて感じた」と話していたのが印象的です。
「僕が決めることで、チームもスタジアムも盛り上がる。ただの1点じゃないと自負しています。そのプレッシャーを楽しみながら、しっかりとゴールを重ねていきたいですね」
 
――24節終了時で、リーグ戦5得点という数字に関して、物足りなさを感じる?
「チームが今の順位にいる責任は痛いほど感じています。ただ、5得点だからといってそこまで焦ることもない。『やるべきことをやっていれば、ゴール数はついてくる』と自分自身に言い聞かせていますし、今は平常心で臨むほうがいいのかなと」

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