【日本代表】思わず納得。柴崎岳がボリビア戦後に掲げた「理想の戦い方」

2019年03月27日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「前半と後半を分けて考える必要はない」

ボリビア戦では優れたパスワークが光った柴崎。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ2019]日本 1-0 ボリビア/3月26日/ノエビアスタジアム神戸
 
 評価が難しい試合だろう。結果を見れば1-0の完封勝利。しかし、決して満足できる内容ではなかった。とりわけ前半はボリビアの守備を崩せずに苦戦した印象もあった。とはいえ、その前半はリスクを冒さなかったことで日本のディフェンスは安定していたとの見方もできる。実際にプレーした選手はそんなボリビア戦をどう捉えているのか。例えば柴崎岳の見解は次のようなものだった。
 
「前半は物足りなく見えたという見方もできますし、しっかりとボールを保持しながら後半に相手が落ちたりとか、崩れてきたところを、途中出場した選手がフィニッシュしたという見方もできます。前半と後半を分けて考える必要はないし、交代選手の部分で考える必要もない」
 
 柴崎の理想のひとつは、「前半の戦い方と後半のようなスピーディな展開をなるべくバランス良く使い分けて試合を進めたい」ということだ。前半のようにあまりリスクをかけないボール回しだけではダメで、かといって試合終盤のように前掛かりになるとボールの取られ方によってはピンチを招いてしまう、だから慎重さとアグレッシブさをどうブレンするかがポイントと捉えている柴崎の分析力には、思わず納得してしまう部分があった。
 
 柴崎曰く「(後半途中まで)僕はベンチで見ていましたが、やっている選手たちはもうちょっと上手くやりたかったという想いはあったと思います」。そう感じたのは、特に前半、フィニッシュに持ち込むシーンが少なかったからでもある。
 
「やはりシュートチャンスを多くしないと相手は恐怖を感じない。イケイケの展開になる必要はないですが、前半のうちから(奪ったボールを)相手の陣形が整わないうちにもうちょっと早くサポートできる部分が増えれば、(前に出ていく分)ミスの可能性は高まりますけど、良いチャレンジになったはずです」
 
 シュートに持ち込むための「サポート」──。その手段のひとつが「縦パス」だ。柴崎は「相手も非常にコンパクトにハードワークしてきました。良い意味で驚いた部分は、相手の勤勉さ。FWも追っていましたしね。そういうところで苦戦してた部分があるので、前半は特に僕らが入る時よりは難しい状況だった」と言いつつ、「特にグラウンダーのパスが前線に入った時は結構良い形になっていました。乾君のところで2、3回チャンスになっていて、宇佐美からも良いスルーパスが出ていたので、そういった形になればコンパクトな相手に対しても崩していけるというのは前半でも見えていました」と縦パスの効果を説明していた。
 

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