札幌加入内定の大学No.1ボランチが、即戦力として4年越しの古巣復帰を決めるまで

2019年03月25日 竹中玲央奈

大学No.1ボランチが札幌へ

来季の札幌新加入が内定した筑波大の高嶺。4年ぶりの古巣への復帰となる。写真提供:北海道コンサドーレ札幌

 近年、アカデミーからトップチームへ多くの選手を供給しているクラブに、北海道コンサドーレ札幌が挙げられるだろう。今季で言えば、荒野拓馬、深井一希、菅大輝、進藤亮佑といったアカデミー出身選手がトップのレギュラーとして活躍している。それだけに、このクラブにはこれまで、大卒選手を獲得するイメージがあまりなかったのだ。

 
 しかし、この北のクラブはすでに、2020年加入する大卒ルーキー2名に内定を出した。先に発表されたのは日本大の金子拓郎。前橋育英高出身で、攻撃センスに溢れた左利きのアタッカーである。
 
 そしてこのほど、2人目の新卒選手として、筑波大・高嶺朋樹の内定が発表された。
 
 小学校4年生から札幌のアカデミーで9年間を過ごすも昇格は叶わず筑波大へ進学したU-18の10番は、"愛着のある地元クラブへ戻る"というひとつの目標を達成したことになる。ただ、彼は大学1年生の時に、こう口にしていた。
 
「まず(札幌に)戻って、しっかりそこで経験を積んでいずれはその先へ、という思いはあります」
 
"即戦力以上"の存在となって札幌へ戻り、海外も含めた上のステージへ行くことを目指し、大学生活を歩んできた。そして現在、彼はその発言を具現化させられるだけの存在になっている。
 
 177cm・74kgという恵まれた体格で左利き。中盤の底でプレッシャーを受けながらもそれを剥がして前を向けて、ゴールへ直結するパスを配給できる。加えて太い腰回りを活かした力強い守備も魅力的で、大学レベルでは球際での戦いで負けることはない。足りない部分を挙げるとすれば得点力だが、それが備わっていたらアマチュアの舞台にはいないだろう。
 
 今年の大学サッカーにおけるNo1ボランチと言って過言ではない。
 

次ページ目指すは東京五輪。「そこに入っていくためには、まず大学でアピールしていかないと」

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