【日本代表】闇雲にも思えたミドルシュートの応酬は本当に有効だったのか?

2019年03月23日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

結果が出なければ厳しい見方も

前後半合わせて3本のシュートを放った中島も、ゴールを奪えず。ドリブルの切れは素晴らしいが、決定力に課題を残した。(C)SOCCER DIGEST

[キリンチャレンジカップ]日本 0-1 コロンビア/3月22日/日産ス
 
 0-1の敗戦を喫したコロンビア戦は、日本代表に新たな課題をもたらした。
 
 試合を通じた総シュート数は16対9。とりわけ押し込む時間が多かった前半に限れば8対3と、数字だけ見れば日本が優勢に試合を運んでいたようにも思える。しかし、そのシュートを「数」ではなく「質」で捉えるなら、日本のそれは明らかにコロンビアに劣っていた。
 
 開始早々に左サイドの突破から生まれたバー直撃のシュートをはじめ、再び左サイドを破られ、エリア内に侵入を許した30分の崩し、実際に先制点のPKにつながった60分過ぎの畳みかけるような速攻など、コロンビアの攻撃の多くは日本陣内の奥深くまで入り込んできた。
 
 一方で日本は、10分に南野拓実が、17分と21分には立て続けに堂安律が、25分には中島翔哉がミドルシュートを放ったが、いずれも枠を捉えることはできなかった。
 
 惜しいシーンと言えば、 34分に南野がエリア内で振り向きざまに放ったシュートと、37分の鈴木武蔵のヘディングくらいだったのではないか。
 
 たしかにミドルシュートを数多く放ち、迫力のあるゲームを展開した。ただし、その遠めからでもゴールを狙おうという積極的な姿勢そのものは称賛できるものの、実際に得点につながらなければ、ただ闇雲にシュートを打っていただけという厳しい見方もされてしまうだろう。
 森保一監督は「チャンスを作れたところで得点できなかった。0得点で終わる試合ではなかった。前半のうちに1点奪えれば良かった」と試合を振り返ったが、一方で相手の守備を崩し切れなかったことが、無得点に終わった要因であることも示唆している。
 
「崩してペナルティエリアの中に入れなかった部分はあったと思う。より確実に得点チャンスを演出できるように、レベルアップしていかなければいけない。コロンビアの中央の守備は堅かった」
 
 森保監督が称えたコロンビアの中央エリアの守備は、相手の戦術プランでもあった。敵将カルロス・ケイロスは試合後に「日本の特徴や強さはよく分かっていました。アジリティとスピードと技術レベルがものすごく高い。日本の攻め方は縦パスが主体なので、前半のテーマはそれを受けずに仕事をさせないことだった」と、中央突破を警戒していたことを明かしている。

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