古巣・FC東京相手に敗戦… ブーイングも拍手も受けた米本拓司の胸に去来した想いは?

2019年03月17日 サッカーダイジェスト編集部

「勝って挨拶に行きたかった」

古巣対戦となった名古屋の米本(中央)。気持ちのこもったプレーで中盤を引き締めた。写真:田中研治

[J1リーグ4節]FC東京1-0名古屋/3月17日/味の素スタジアム
 
 FC東京が名古屋をホームに迎えた一戦。54分、永井がスピードを活かした抜け出しからGKとの1対1を制して得点を挙げると、その1点を守り切ったFC東京が勝点3を獲得した。
 
 そのなかで古巣との対戦となった米本拓司は持ち味を存分に発揮。中盤でボールを奪っては正確にパスをつなぎ、チームに安定感をもたらしていた。45+3分には髙萩洋次郎へのファウルでイエローカードを提示された。それも古巣に負けたくないという強い気持ちの表われだろう。

 警告のシーンでブーイングを受けた米本だったが、試合後にはFC東京のサポーターのもとへ挨拶に向かうと盛大な拍手が送られた。その時の心境をこう語った。

「(拍手してくれて)ありがたかったですけど、勝って挨拶に行きたかったですね」
 
 さらに古巣との対戦については「特に(気持ちは)変わらないですね。とりあえず勝点3を取れなかったことが悔しい。せめて勝点1は持って帰りたかった」と特別な感情はなく、あくまでリーグ34試合の中の1試合ということを強調していた。

 言葉だけを聞く限り、米本はことさら古巣戦を意識してはいなかった。ただそれでも、サポーターへ挨拶に向かう姿勢や気迫溢れるプレー、悔しい表情からは10シーズンを過ごしたFC東京への感謝と特別な感情が感じ取れた。

取材・文●古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)
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