【FC東京】東慶悟がリード後に鬼気迫るスタンスでジェスチャー。味方に何を伝えたかったのか

2019年03月17日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

リードしているのに、いったいなぜ?

キャプテンシーでチームを引っ張った東。名古屋戦では見事なアシストも決めた。写真:田中研治

 名古屋をホームに迎え撃った首位攻防戦は、FC東京が54分に永井のゴールで先制するという展開だった。前半はほぼ互角でどちらに流れが傾いても不思議ではない状況下で先手を取ったのが、FC東京だったのである。
 
 それから数分後、ピッチではFC東京の10番、東がなにやらジェスチャーで味方に訴えかけている。しかも鬼気迫るスタンスで。1-0とチームがリードしているのに、いったいなぜ──。普段は温厚な彼がああも感情を露わにするのは、珍しいシーンでもあった。
 
 その時の心境はどうだったのかと、本人に訊くと次のような答が返ってきた。
 
「チームとして守ろうという雰囲気が出ていたので、まだまだ試合は30分もあるし、ボールを奪った時に顔を出してしっかりつなごうという指示をしました。もちろん、後ろの選手たち(守備陣)の『シンプルにやりたい』という気持ちは分かります。でも、(開幕3連勝している)名古屋が相手だと事故みたいな失点もあり得ますし、ゴール前に放り込まれると危険なシーンが多くなります。僕たちがもっと良いチームになるためにはそういったところにこだわりながらやっていきたいので、1点で満足せず2点目、3点目を狙っていきたいです」
 
 
 それを受けて「そのジェスチャーがキャプテンとしての覚悟のようにも見えました。それにしても、珍しく感情的になっていましたね?」と問いかけると、本人は少し笑いながらこう話してくれた。
 
「もちろんキャプテンになってというところもありますけど、僕個人、プレーヤーとしてもっともっとチームに求めていきたいと思っています。それが違った意見だったとしても、そういうことは言っていきたい」
 
 キャプテン東──。十分すぎるほどの貫禄があった。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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