プロ入りも狙える大器!昌平の異質なトップ下、大和海里が持つ無限大のポテンシャル

2019年03月17日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

指揮官が期待を懸ける大和とは一体に何者か

昨季はサイドハーフやトップで出場機会を確保。経験を積み、今年は攻撃の核として立ち振る舞っている。写真:滝川敏之

 近年、躍進著しい昌平。2016年のインターハイでは松本泰志(現広島)、針谷岳晃(現磐田)らを擁して初の全国4強入りを果たすと、翌年は結果を出せなかったなかで佐相壱明が大宮に加入。

 昨夏の大舞台でもベスト4に進出し、原田虹輝が目覚ましいパフォーマンスを見せて川崎入りを勝ち取っている。今や埼玉県内に止まらず、全国でもその名を轟かす強豪校と言っても過言ではないだろう。
 
 3年連続でJリーガーを輩出しているチームは、今年もタレントの宝庫だ。1年次から10番を託されたU-17代表の須藤直輝(1年)を筆頭に、プレーメーカーとして名を挙げつつあるボランチの紫藤峻(1年)、日本代表に初招集された鎌田大地の実弟、サイドハーフの大夢(2年)など上のレベルで通用しそう選手がずらりと揃う。

 そうした逸材たちのなかで、抜群の存在感を示す選手がいる。トップ下の大和海里(2年)だ。
 
 9番を背負う有望株は県新人戦で活躍。類まれな技術と勇猛な仕掛けで好機に絡み、高校選抜候補の合宿で準決勝まで不在だった須藤の穴を感じさせないプレーを見せた。同じく高校選抜の活動でチームを離れていた藤島崇之監督にもその評価が届いていたようで、スタッフからの報告を受けて「大和が良いんですよ。キレキレだったみたいです」と声を弾ませていた。
 
 その後も大和は好調を維持し、3月16日の「イギョラカップ」でもその実力を如何なく発揮。帝京戦では前半22分にPKでチームの先制点を奪うと、後半の終盤にも素晴らしい仕掛けからペナルティエリア内に侵入する。最後は相手GKを嘲笑うかのようなループショットを右足で沈め、チームの2点目を奪取。3-0で勝利を収めた昌平の攻撃を牽引したのは、紛れもなく大和だった。
 
 元々、サイドハーフだった大和がトップ下に配置されたのは新チームになってから。例年、昌平はトップ下に司令塔タイプの選手を置いていただけに、ちょっとした驚きでもあった。

 ただ、そこには明確な意図があり、「今年は中を割っていきたい」と指揮官が新たな攻撃パターンを模索するなかで大和のコンバートを決断したというわけだ。本人も「流れでトップ下とサイドハーフを入れ替えたりもできる」と、新たなポジションに手応えを掴んでいる。

次ページ大和が憧れる選手は赤い悪魔の世界的名手!

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事