桐光学園に新たな有望株が台頭!!無名の大型CB奈良坂巧がブレイク間近!!

2019年03月17日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

ボランチからCBにコンバート!指揮官が明かすその理由は?

ビルドアップに定評がある奈良坂。サイズにも恵まれており、ヘディングにも自信を持つ。写真:滝川敏之

 C大阪に入団が内定した西川潤を擁する桐光学園に楽しみな逸材が現われた。184センチの大型CB奈良坂巧(1年)だ。
 
 昨季は1年生でトップチームに帯同し、夏のインターハイでは全国準優勝を経験。冬の高校サッカー選手権でもベンチ入りを果たすなど、貴重な経験を積んだ。
 
 迎えた今季は、レギュラーの大半を占めていた上級生が卒業。とりわけ、最終ラインはGK以外すべて入れ替わった。そこで、昨季まで主にボランチを務めていた奈良坂が守備の柱に指名されたのだ。
 
 昨年10月から本格的にCBにチャレンジしている俊英には、鈴木勝大監督も大きな期待を懸けている。「ボランチもありだったのですが、サイズとか配球面を考えたらCBではないかと。あいつには高さがある」とコンバートの理由を説明しつつ、「それを生かすには後ろの方がいいし、コーチングもできる」と奈良坂のポテンシャルに太鼓判を押した。

 さらに3人が務めている副キャプテンに奈良坂を下級生ながら抜擢。指揮官は英才教育を施し、より一層の成長を促している。

 高体連やユースの強豪が集まる「イギョラ杯」でも、有望株は才能の片鱗を見せた。3月16日の新潟U-18戦は空中戦の強さと正確なビルドアップで存在感を発揮。35分ハーフで実施された一戦では60分過ぎに体力面の不安を露呈し、ハイボールの処理を行なった際に足がもつれる場面もあったが、与えられた役割を最後までまっとうした。
 
「ボランチをやっていたので縦にパスを付けることがやり易い。今までは360度からプレッシャーを受けていたけど、CBでは前からしかプレスがこない安心感もある。ビルドアップには自信があるし、今日も1本良いボールを出せた。そういうところが良かった」と、本人も自身のパフォーマンスに納得の表情。スコアレスドローに終わったものの、新たなポジションでのプレーに自信を深めた。

 CBに本格転向してからまだ半年。それ以前の経歴を考えても、伸びしろも計り知れない。元々、高校入学前は県選抜にもセレクトされた経験すらなく、まったくの無名の存在だった。桐光学園以外から声が掛かったのも奈良坂からすれば、驚きでしかなかったという。
 
 そうした立ち位置から高校入学後の1年で、全国を代表するチームでレギュラーを務めるまでに成長。今では「代表やプロ入りを目指したい」と話しており、意識の変化が今後に期待を抱かせる要因でもある。

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