攻撃サッカーで昇格候補に名乗り!「真面目過ぎる」岡山に有馬新監督がもたらした意識改革

2019年03月07日 寺田弘幸

「相手を見て駆け引きしていかないと勝負にも勝てない。選手たちには駆け引きを楽しんでほしい」

有馬新監督が指揮を執る岡山は、2節の金沢戦で今季初勝利。イ・ヨンジェ(9番)が決勝点を挙げた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 2節の金沢戦で新体制の初勝利を挙げて「嬉しかった以上にホッとしました」と笑みを浮かべた有馬賢二新監督は、「自信にもなっていくし、向かっていく方向が間違っていないんだよということを選手たちも感じられた大きな一勝になった」と勝利の意味を噛みしめていた。
 
 新体制への移行によって岡山には様々な変化がもたらされている。J2クラブを初めて率いる46歳の指揮官は、チャレンジングな指針を掲げてプレシーズンから新たな風を吹かせてきた。「攻撃の時は意図的に、守備の時は能動的に、みんなが攻守に関わっていくアグレッシブなサッカーをしたい」。そう語られたサッカーの志向は攻守において自分たちがアクションを起こすことから始まっていくもので、前体制では一貫して採用されてきた3-4-3のフォーメーションを4-4-2へ変更した意図も、「3バックにすると実際は5バックで守備をすることが多くなるんで、そうなると奪いに行く人間がひとり足りなくなる」からである。
 
 有馬監督はチーム立ち上げ時から攻撃的な側面からのアプローチを多く行ない、攻撃はGKからパスをつないでビルドアップしていくこと、守備では高い位置でボール奪取する機会を常にうかがうことを掲げてきたなかで、選手たちの意識の変化も求めている。最も大きな変化が、この意識の変化かもしれない。

 有馬監督は岡山に集う選手たちの特性をこう語っている。「本当に一生懸命にトレーニングに取り組んでくれる選手たちですし、僕がやろうとしていることにしっかりと耳を傾けてトライしてくれる。そこは本当に良いところ」と。
 
 そして、こう続けている。
「ただ、真面目過ぎるところもある。やっぱりサッカーは常に駆け引きが行われているスポーツで、相手を見て相手が困ることをやっていかないといけない。そういうことができるようになってくると、もっと良さが出てくるんじゃないかなと思う。もちろん勝負にはこだわらないといけないですけど、相手を見て駆け引きしていかないと勝負にも勝てない。選手たちには駆け引きを楽しんでほしい」

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