ヴィッセル加入が決定的! バルサ育ちのMFセルジ・サンペールってどんな選手? 気になる起用法は?

2019年03月05日 下村正幸

カンテラ時代は「ブスケッツ2世」とも

バルサの下部組織で育ったサンペール。新天地となる神戸で本領を発揮できるか。(C) Getty Images

 セルジ・サンペールのヴィッセル神戸への加入が秒読みとなっている。

 24歳のスペイン人MFは、3月4日にバルセロナとの契約を解除。まもなく「バルサ化」を推し進める神戸への入団が正式に発表される見込みだ。

 ブスケッツ2世――。バルサのカンテラ(下部組織)で台頭してきた頃、サンペールはそう評され、大きな期待をかけられていた。正確なパスワークや瞬時の状況判断力に定評があり、まさにバルサの「DNA」ともいえる能力を備えたセントラルMFだ。

 6歳の時にバルサ・スクールに入団し、そのままカンテラのすべてのカテゴリーを経由しながら研鑽を積んだ。しかし、トップチームでは結果を残せなかった。周囲の過度な期待が小さくない重荷になったことは想像に難くない。

"巡り合わせ"の悪さと故障の多さも、そのキャリアに影を落とした。出場機会を求めて2016年夏にグラナダにレンタル移籍をしたものの、その決め手となったパコ・へメス監督がシーズン開幕からわずか1か月後で解任。以降は、外国人選手が多数在籍する多国籍軍団の中で居場所を見出せないまま、シーズンを終えた。

 翌シーズンは、ラス・パルマスに再びレンタルで移籍。シーズン途中にそのパコ・へメスが就任し、攻撃的サッカーの中でそのポテンシャルを発揮するかに思われたが、1月に左足を故障。シーズン絶望となってローン契約が解除され、失意のうちにバルサに戻ったのだった。
 
 バルサ復帰後もその怪我の後遺症に悩まされ、今シーズンはコパ・デル・レイの1試合、しかも33分間しか出場していない。もはやスター軍団では構想外になっていたのが事実であり、契約が満了する今シーズン終了後の退団は既定路線となっていた。そんななか、神戸からのオファーが舞い込み、愛するクラブからの退団を決断したのだ。

 サンペールはポゼッションサッカーというコンテクストでこそ能力を発揮するMFだ。ただ、アンカーを任せるには守備力に不安があり、そこがブスケッツとは決定的に違う点で、首脳陣が起用に二の足を踏む要因でもあった。

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