2月に入って狂い出した歯車…5戦連続未勝利のドルトムントは踏ん張ることができるか!? 【現地発】

2019年02月24日 中野吉之伴

違和感を抱いたホッフェンハイム戦

一時は独走の気配もあったドルトムントだが、ひと足先に23節(ヘルタ・ベルリン戦)を消化した宿敵バイエルンに、ついに勝点51で並ばれてしまった。写真はCLトッテナム戦後。 (C) Getty Images

 どんなチームでも、長いシーズンのあいだに調子を落としたり、思うように勝点を積み重ねられない時期がある。まさに今、開幕から好調だったドルトムントに、そうした事態が起こっている。

 ブンデスリーガ第20節終了時には、2位ボルシアMGに勝点差7をつけ、優勝争いの行方は早くも決まったとする声も多かった。ところが2月に入ると、どこからかリズムが狂い出す。

 DFBカップ3回戦でブレーメンにPK戦の末に敗れると、チャンピオンズ・リーグ(CL)ラウンド・オブ16の第1レグでは、敵地でトッテナムに0-3と一蹴されてしまった。そして、リーガでも3試合連続引き分け……。

 フランクフルト戦では前半にあった数々の得点機を逃し、相手に同点の機会を与えてしまい、続くホッフェンハイム戦では試合途中までは3-0とリードする素晴らしい試合運びを見せていたが、終盤に突然バランスを崩し、連続失点で3-3の同点に追いつかれてしまう。

 そして前節は、最下位のニュルンベルク相手にスコアレスドロー。気がつくと、2位バイエルンとの勝点差は3まで詰まってしまった。

 ドルトムントに何が起こったのだろうか。フランクフルトと引き分けた頃には、まだこのまま崩れていくという感覚もなかったことだろう。少し違和感を持ったのは、ホッフェンハイム戦だ。首位に立っているチームが、3-0から追いつかれるというのを、「不運」で片づけることはできない。

 この試合、監督のリュシアン・ファーブルが、インフルエンザでベンチ入りができなかったというイレギュラーな事態があった。

 自宅でテレビ観戦しながらチームのために動いていたファーブル監督は、ハーフタイムにアシスタントコーチのエデイン・テルツィクと電話で話し、75分の1失点目の後には、スタンドにいるビデオアナリストのセルダル・アヤルを経由し、ベンチのコーチングスタッフに情報を送っていた。

 また、ロングボールに苦しんでいることから、マリオ・ゲッツェに代えてエメル・トプラクを入れることを指示している。

 テルツィク・コーチは、「やっていることは、いつもと同じだった。ただ、彼(ファーブル監督)との直接のやり取りがないだけだ」とコメントしていたが、現場との距離感はどうしても生じてしまう……。

 守備対策がはまらず、83分にパベル・カデジャーベク、87分にイシャク・ベルフォディルと、どちらも警戒したはずの選手のヘディングシュートでゴールを奪われたことが、何とも象徴的だった。

 それにしても、GKロマン・ビュルキが「セットプレーでの失点が多い。センタリングやセットプレーなどで、ボールをクリアする準備ができていないという状況が続いている」と指摘するように、ここのところ、相手に簡単にシュートを許す場面が目立っている。

次ページショックの色が見られたニュルンベルク戦

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事