【背番号秘話】ピルロやシルバといった天才パサーたちはなぜ「21番」にこだわったのか?

2019年02月19日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

デビュー戦も引退試合も「21日」

クラブでも代表でも21番を纏ったピルロ(右)とシルバ(左)。その理由とは? (C)Getty Images,REUTERS/AFLO

背番号にまつわる逸話、込められた想いを紹介しているのが、『ワールドサッカーダイジェスト』誌で好評連載中の「背番号ストーリー」だ。その第6回は「21番」に関するエピソードを紹介する。

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「21番」の代表格と言えばアンドレア・ピルロだろう。

 1995年5月21日、16歳の時にブレッシャでプロデビュー。その2年後のトップチーム正式昇格に際し、空き番号の中から21番を選んだのは、記念すべきプロデビュー日にちなんでそうしたと言われている。

 その後は、インテル、ミラン、そしてユベントスと行く先々でこの番号を背負い、もちろんアッズーリでもチョイスした。ちなみに、引退試合を行なったのも、2018年の5月21日だった。

 そのピルロがつけたユベントスの21番を15年夏に受け継いだパウロ・ディバラは、「ジダンやピルロがつけた重みのある番号だったから」と選んだ理由を語っている。ただ、2年後には現在の10番に変更した。
 
 長身の司令塔で"スペインのジダン"と称されたファン・カルロス・バレロンも21番を愛したひとり。プロデビューしたラス・パルマスで最初に背負ったこの番号を大切にし、13年に渡り在籍したデポルティボやその後に復帰したラス・パルマス、スペイン代表でも身につけた。

 そのバレロンに憧れて21番をつけるのが、同じグラン・カナリア島・アルギネギン出身のダビド・シルバだ。その尊敬する同郷の先達からスペイン代表の21番を受け継ぎ、バレンシアではアイマールから継承する形で21番を背負い、マンチェスター・シティの今に至る。

 バレロンの前にスペイン代表の21番を背負っていたのが、ルイス・エンリケ。レアル・マドリーでもバルセロナでもこの番号を纏った"愛用者"だ。

 21番が特別なナンバーになっているチームがある。エスパニョールだ。09年8月に心筋梗塞で急死した元主将ダニ・ハルケの番号で、ずっと欠番となっていた。

 そのスペシャルなナンバーをついに受け継いだのが、11歳でエスパニョールに入団し、ハルケの名を冠した練習場で育ったマルク・ロカだ。同じくカンテラ出身のハルケのような主力になってほしい、というクラブの期待とともに21番を背負ったレフティーの逸材は、今シーズンに大ブレイクを果たしている。

【21番を背負った主な選手】
アンドレア・ピルロ(MF/元イタリア代表)
ルイス・リンリケ(MF/元スペイン代表)
ジネディーヌ・ジダン(MF/元フランス代表)
ファン・カルロス・バレロン(MF/スペイン代表)
パブロ・アイマール(MF/アルゼンチン代表)
フィリップ・ラーム(DF/元ドイツ代表)
クリストフ・メッツェルダー(DF/元ドイツ代表)
パウロ・ディバラ(FW/アルゼンチン代表)
ダビド・シルバ(MF/元スペイン代表)
ダニ・ハルケ(DF/スペイン国籍)
マルク・ロカ(MF/スペインU-21代表)
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