【セルジオ越後】Jリーグの存在意義は?アジアカップで見せ場がなかった国内組の奮起は不可欠だ

2019年02月12日 サッカーダイジェスト編集部

カタールに負けたのは、作り上げた土台の差。 8年間で追い越された。

今大会、日本で最多の4ゴールを挙げた大迫。だが、カタールとの決勝戦は無得点に終わる。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 日本がアジアカップ決勝でカタールに1-3で敗れ、準優勝に終わった。率直に言えば、この結果は力負けという印象だよ。

 日本は準決勝まですべて1点差勝利で、ギリギリの試合の連続。とてもアジアの強国とは思えない戦いぶりだった。準決勝のイラン戦は3-0で勝利して好ゲームを演じたものの、その良い流れを継続できなかったね。

 一方、カタールは今大会で19得点・1失点の数字を残している。準々決勝では韓国を1-0で下して堅守を誇示し、準決勝ではUAEを4-0で圧倒して得点力を見せつけた。勝ち上がり方を見ても、カタールが優勝したのは頷けるよ。
 
 日本が最後にカタールと対戦したのは、11年1月21日のアジアカップ準々決勝だった。その時は日本が3-2で勝利したものの、約8年の間に育成年代を強化してきたカタールに追い越されてしまったようだ。
 だから、若手のパフォーマンスもカタールの方が際立っていた。日本戦で見事なオーバーヘッド弾を決めたアルモエズ・アリはまだ22歳で、9ゴールを挙げて得点王とMVPをダブル受賞した。

 一方、日本の若手は、堂安が2ゴールに終わっているし、1ゴールの南野も大会を通して何度も決定機を外していた。結局、彼らは期待に答えられなかったわけだ。最多得点は4ゴールの大迫で、最終ラインは酒井、吉田、長友と、ロシア・ワールドカップからあまりメンバーが変わっていないよね。

 CBを務めた20歳の冨安だけは、パフォーマンスを褒められていたけど、個人的には疑問だ。「20歳」という年齢に着目して、特別扱いしているだけじゃないかな。あくまで、アジア勢を相手に活躍しただけ。もっと言えば、そもそもアジアの舞台で、DFの冨安が目立つ劣勢を強いられている状況が問題だ。

 そういう意味では、ロシア・ワールドカップで世界のFWと渡り合った昌子の方がよっぽど能力が上だと思う。もし、昌子のコンディションが良くて招集されていたら、冨安は試合に出れなかっただろう。
 

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