「巨大な疑問が残った」ヴァーディーの“交代出場→即PKキック”にご意見番リネカーが苦言

2019年02月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官は「結果論だ。あのPKで負けたわけではない」

PKを外して悔しがるヴァーディー。その後に1ゴールを挙げて面目を保ったが、この場面が試合の分岐点だったのは間違いない。(C)Getty Images

 日曜日に聖地ウェンブリーで行なわれたのがプレミアリーグ第26節、トッテナム・ホットスパー対レスター・シティの一戦だ。

 試合はハリー・ケインとデル・アリを怪我で欠きながらも、トッテナムが3-1でモノにしてリーグ戦4連勝を飾った。同じくこの日チェルシーを6-0で粉砕した首位マンチェスター・シティとの勝点差5をキープし、ぴったりと3位に付けている(消化試合はトッテナムが1試合少ない)。

 そのゲームの分岐点となったのが、60分のシーンである。0-1とビハインドを背負うレスターは、ベンチスタートを余儀なくされていたジェイミー・ヴァーディーをタッチライン際でスタンバらせる。するとその矢先、ジェームズ・マディソンが願ってもないPKを獲得。ボールを抱え込み、マディソンが蹴る気満々に見えたが……。レスターのクロード・ピュエル監督は迷わずにそのタイミングでヴァーディーをピッチに送り込む。なんとそのままPKキッカーを務めさせたのである。

 当然とばかりにスポットへボールを配置するPKのスペシャリスト。しかしイングランド代表FWが放った渾身のショットはコースが甘く、相手GKユーゴ・ロリスに弾き出されてしまったのだ。

 その3分後にレスターはクリスティアン・エリクセンに強力ミドルを決められ0-2に。76分にヴァーディーが意地の一撃を蹴り込んでふたたび1点差と詰め寄ったものの、アディショナルタイムにソン・フンミンに追加点を奪われ、力尽きた。

 
 やはりひとつの議論の的となったのが、「なぜヴァーディーにPKを蹴らせたのか?」である。ピュエル監督は試合後の会見で、「彼がチームのキッカーなのだから当然の選択だった。"蹴っていい"とわたしが言った」と強く主張し、「失敗したのは結果論であって、あのPKで負けたわけではない。主導権を握りながら多くのチャンスで決め切れなかったのが敗因だ」と、エースをかばった。マディソンが今季すでに2度、PKを外している事実も、フランス人指揮官の脳裏をよぎったはずだ。

 現政権下でゴール数が伸びず(直近10試合で2得点)、戦術にもフィットしていない印象のヴァーディー。指揮官との不仲も囁かれるなか、今節ついにスタメン落ちとなった。英メディアはその点に鋭く突っ込んだ質問をぶつけたが、ピュエル監督は「今日は異なるオプションが必要だった。それがジェイミーではなかっただけのこと。彼の出来自体には満足しているよ」と答えるにとどめた。

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