【プレミアの知られざるリーダー④】「僕らはエバートンなんだ!!」と熱く鼓舞し、優しく仲間に寄り添う闘将|コールマン

2019年02月09日 内藤秀明

悩みを抱える仲間に寄り添える優しい心も

世代交代が進むエバートンをピッチ内外で牽引するコールマン。(C)Getty Images

 2017年3月に行なわれたワールドカップ予選のウェールズ戦で、右足の脛骨及び腓骨を骨折。選手生命が危ぶまれるほどの重傷を負いながら、懸命にリハビリを重ねて見事にカムバックしたエバートンのDFシェイマス・コールマンは、アイルランド人らしく実直で熱い男だ。そして一切の妥協を許さない。

 プレシーズンでもその姿勢は一貫しており、望んだ結果が得られなかった試合の後には、「プレシーズンかどうかなんて関係ない。僕らはエバートンなんだ!!」とチームメイトを鼓舞すると、「ドレッシングルームの沈んだ雰囲気を、どうにか変えなければならない」と使命感に燃えていた。
 
 悩みを抱える仲間に寄り添える優しい心も併せ持つ。MFのジェームズ・マッカーシーが、足が変形するほどの大怪我を負った際には、「彼のためにも活躍したい。同じ大怪我を負った僕が活躍すれば、マッカーシーにとっても心の支えになるはずだから」と語って励ました。

 言葉だけではない。実際、「僕が絶望している時は、いつも傍で支えてくれた」とマッカーシーが打ち明ける。

 今シーズンのエバートンは世代交代が一気に進み、長くリーダーシップを取ってきた主将のフィル・ジャギエルカが出場機会を大きく減らしているものの、ピッチ上にコールマンがいれば、若いチームが指針を失うことはないはずだ。

文・編集●内藤秀明(サッカーライター)&プレミアパブ編集部

※『ワールドサッカーダイジェスト』2019年2月7日号より転載
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