イランとの乱闘騒ぎでも際立った存在感。森保ジャパンを支えた吉田麻也、長友佑都のリーダーシップ|アジア杯

2019年01月29日 本田健介(サッカーダイジェスト)

精神的にもチームを引っ張る

無失点での勝利を喜ぶ日本の守備陣。イラン戦でも吉田と長友は貴重な働きをした。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[アジアカップ・準決勝]日本 3-0 イラン/1月28日/ハッザ・ビン・ザイード・スタジアム 

 1月28日、アジアカップの準決勝でイランと対戦した日本は3-0と快勝。決勝進出を決めた。
 
 試合後誰よりも大きなガッツポーズを見せたのは、ここまでチームを引っ張ってきた長友佑都であり、吉田麻也だった。長友は頭上に両腕を何度も突き出して喜びを示し、吉田はチームメイトと満面の笑みで抱き合う。
 
 振り返れば、世代交代を図りながらアジアカップを戦う森保ジャパンにとって、ふたりの存在は貴重だった。長友はトレーニング前には必ずと言って良いほど東京五輪世代の堂安律、冨安健洋とリフティングをしながらコミュニケーションを深め、若い選手がチームに上手く馴染めるように手助けをした。
 
 また森保監督が期待をかけた22歳のFW北川航也が持ち味を発揮できずにいると「若手が生き生きプレーできていないのは、ベテランの僕らの責任だとも思う」と話し、その後の練習では北川に寄り添い、アドバイスを送る姿もあった。
 
 一方の吉田は"闘将"とも言える姿でチームを鼓舞。事実上の決勝と言われたイラン戦の前日には「明日は決勝のつもりで戦わなくてはいけません。ヨーロッパの選手もJリーグの選手も自分のキャリアにリスクを負ってここに来ているわけで、Jリーグではトレーニングキャンプが始まっていますし、僕らもシーズンが続いているなかで出場しています。ここで負けてしまったら、予選で負けたことと変わりはないと思っています」とチームメイトの想いを代弁しながら、気合いを注入した。
 

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