「真の優勝候補の凄みを見た!」英国誌記者がサウジ戦勝利の森保ジャパンを手放しで称賛!|アジア杯

2019年01月22日 マイケル・プラストウ

失点ゼロこそがもっとも称えられるべき結果

会心の勝利にガッツポーズを繰り出す吉田(22番)。プラストウ記者は「勝つべくして勝った」と言い切る。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 粘り強く勝ち切った。アジアカップの決勝トーナメント1回戦、日本代表はサウジアラビアを相手に1-0で勝利。個人的には、心が揺さぶられる試合だった。

 グループリーグで無傷の3連勝を飾ったとはいえ、日本はなかなか本領発揮とは行かなかった。今回のサウジ戦も序盤から押されっぱなしだったし、それこそ攻撃面で見るべきポイントが少なかったのも確かだろう。ただ、わたしは炎天下のシャルジャで、「真の優勝候補の凄み」を随所で見せてもらった気がする。本物の質と、アジアの盟主としての意地、気概をだ。非常に強く印象付けられた。

 キックオフ直後からサウジのボール支配に晒されながらも、組織的な守備で上手く連携して封じ込め、良い時間帯に先制した。その後も選手全員が身体を張ってソリッドな守備を貫き通し、何度か効果的なカウンターも繰り出している。追加点を奪えなかったのは悔やまれるが、なによりも失点ゼロで終えた点を最大限に評価すべきだろう。負ければ終わりのノックアウトラウンドでは、失点ゼロこそがもっとも称えられるべき結果だからだ。

 
 森保一監督はやはり、これまでベストとされていたメンバーをサウジ戦でも引き続き信用して、先発で送り出した。そして彼らはしっかり期待に応え、結果を残した。指揮官のジャッジが勝利にちゃんと繋がっているのだから、ムードが高まらないはずがない。

 最初の2試合(トルクメニスタン戦とオマーン戦)ではエンジンがかからなかったが、ウズベキスタン戦では控え組が良質なパフォーマンスを見せた。わたしはサウジ戦で、塩谷司や乾貴士ら何人かがスタメンに抜擢されるのではと踏んでいたが、結局はオマーン戦とほぼ同じ構成。森保監督にとっては、考え抜いた末の決断だったのだろう。

 オマーン戦からの唯一の変更となったのが武藤嘉紀だが、サウジ戦では抜群の働きを示した。彼のスピードとフィジカルタフネスは、サウジにとって厄介きわまりないものだったはずだ。残念ながら準々決勝のベトナム戦は出場停止で欠場するが、次は大迫勇也が戻れるかもしれないし、その先の戦いを見越せば、途轍もなく大きな収穫になったと言える。

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