【横浜】「川崎よりも上に――」その言葉に、三好康児の“覚悟”を見た

2019年01月10日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

ライバルチームの一員に。「なんか、不思議な感じ」

川崎からのレンタルで、同じ神奈川県内のライバルチームでもある横浜に移籍。「オファーをいただいて、いろいろ考えた」末の決断だった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

「初日ですか? けっこう自由な感じだったので。またこれから練習が始まって、感じることができればと思います」
 
 1月10日、J1の横浜F・マリノスが始動日を迎えた。初日のトレーニングでは特にメニューは設けられず、各々が好きなようにボールを蹴り、グラウンドを走っていた。
 
 注目の新戦力のひとり、三好康児も時折、笑顔を見せながら、短い時間ではあるが新しいチームメイトたちとの交流を深めた。
 
 昨季までは川崎フロンターレからの期限付き移籍で、北海道コンサドーレ札幌でプレーした。迎えた2019年シーズンは、再び川崎からのレンタルという形で、今度は神奈川県内のライバルチームでもある横浜に活躍の場を移した。
 
 ともすれば、難しい決断だったかもしれない。「オファーをいただいて、いろいろ考えた」という。契約上、保有元である川崎との試合には出られない。そのことを改めて確認した後、三好本人は「川崎戦……出たかったですけどね」と小さく呟く。
 
 川崎育ちの三好にとり、当然ながら横浜は「ライバルと言えば、ライバル」でもある。
 
「小学校からフロンターレでやっているなかで、常に争ってきたチーム。なんか、不思議な感じというか、まだあまり実感はないですけど」

 すぐに馴染むのは「簡単ではないと思う」。それでも、「練習や試合を通じて、徐々にこのチームの一員になっていければ」と話し、「川崎よりも、順位でも上に行きたい」と強い意気込みを口にする。

 アタッキングフットボールを指向する横浜の印象は「面白いサッカーをしている」だ。攻撃センス溢れる21歳のレフティは、予想される基本布陣4-3-3のインサイドハーフ、もしくはウイングでの起用が考えられるが、「どっちも可能性はあると言われています。けっこう流動的に動くと思うので、味方と相手を見ながら、というプレーは得意ですし、自分なりに考えてできればいい」と、すでにイメージはできているようだ。
 
 東京五輪世代の三好にとって、そのビッグイベントを翌年に控える今季は、間違いなく重要なシーズンになる。
 
「毎年、大事ですけど、より大事な一年になるはず。個人的にも、チームとしても、この一年はすごく充実させないといけない。そこは覚悟を持って来ましたし、プレーで示したい」
 
 大きなチャレンジにその身を投じたアタッカーのさらなる飛躍が楽しみだ。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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