【トルクメニスタン戦|戦評】森保ジャパンが露呈した経験不足。辛勝したアジアカップ初戦から学ぶべき点は多い

2019年01月10日 本田健介(サッカーダイジェスト)

薄氷を踏むような白星スタートに

後半に3ゴールを奪ってトルクメニスタンに勝利。しかし多くの課題は残った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 アジアの戦いはかくも難しいものかと、痛感させられるゲームだった。

 UAEで開催されているアジアカップの初戦でトルクメニスタンと対戦した日本は、大迫の2ゴールなどで逆転勝利を収めた。しかし格下と言える相手に大苦戦(FIFAランキングは日本は50位、トルクメニスタンは127位)。前半に先制を許し、3-1で迎えた79分にはPKで1点差に詰め寄られるなど、「ラスト8分は正直、これはヤバいなと思いました」とキャプテンの吉田麻也が苦笑いした通り、薄氷を踏むような白星スタートとなった。
 
 苦戦の要因はなんだったのか。吉田は「自分たちが本当にこの試合に懸ける決意と覚悟を持って臨めたのか自問自答しなければいけない結果になったんじゃないかと思います。入りは非常に悪くて、ミスもたくさん起きましたし、アンラッキーな形、もちろん素晴らしいゴールではあったと思いますけど、失点してから自分たち自身で試合を難しくしてしまいました」と振り返る。
 
 今大会は他グループでオーストラリアやタイが敗れるなど波乱の幕開けとなっただけに、選手たちは初戦に向けて「気を引き締めなくてはいけない」と口にしていたが、その危機感が逆に世代交代を果たしたばかりのチームから思い切りの良さを奪ってしまったのかもしれない。
 
 日本は丁寧にボールをつなぎながら、縦パスを打ち込んで中央を固めるトルクメニスタンを崩そうと試みたが、パスの微妙なズレやミスが多く、ボールをカットされて警戒していたはずのカウンターでピンチを迎えた。

 26分の失点シーンも同様の展開だ。堂安律から柴崎岳へのボールがズレ、相手にかっさらわれると、その流れからトルクメニスタンのキャプテン、アマノフに豪快なミドルを叩き込まれた。
 
 前半の状況をボランチの柴崎も「縦パスを配給できてもスペースが少なかったです。なかなかクオリティが上がらず、簡単なミスもありました。このチームでの初の公式戦ですし、フレンドリーマッチとは違う勝手もあったんだと思います」と語る。
 
 

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