【選手権】立正大淞南のエースが2戦5発と止まらない! 指揮官が明かすその“圧倒的なセンス”

2019年01月02日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

卒業後は相棒・鶴野とともに福岡大へ進学

持ち前のゴールセンスを余すところなく発揮している藤井。チームの躍進と大会得点王を狙う。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権・2回戦]那覇西 1-6 立正大淞南/1月2日/等々力

 立正大淞南のエースが止まらない。2戦5ゴールの大暴れだ。

 等々力陸上競技場で行なわれた高校選手権の2回戦、那覇西vs立正大淞南戦は、後半にラッシュを仕掛けた後者の6-1圧勝に終わった。その試合でハットトリックと大車輪の活躍を見せたのが、立正大淞南のFW藤井奨也だ。

 まずは前半13分、相棒のFW鶴野怜樹が上げたクロスが相手GKに弾かれたところを頭でねじ込み先制。2-1で迎えた後半25分にふたたび鶴野のスルーパスを受けて豪快に蹴り込み、その直後にはPKを冷静に決めてみせた。1回戦の岐阜工戦の2得点と合わせて、早くも5ゴールを奪取だ。大会の得点王争いをリードし、選手本人も「もちろん狙っています」と意気込む。

 とはいえ、チームを率いる南健司監督に言わせれば、藤井の"爆発"は想定内だったのかもしれない。そのゴールセンスに惚れ込み、特大の信頼を寄せてきたからだ。

「初めて見たのは小学校の頃の映像で、当時から得点感覚が素晴らしかった。中2のときにあらためて見てスゴイなと思い、中3のときにはヤバイなと。今日だってサイドにいたと思えば、僕でも気づかないうちに中央にポジションを取ってゴールを決めていた。小中学校の指導者の方が彼の持ち味を活かしたからこそでしょうし、教えてできるレベルではないんです」

 そんな藤井のポテンシャルを最大限に引き出しているのが、最前線に位置する鶴野だ。4-2-3-1システムの下で藤井が左サイド、鶴野が1トップという変則2トップ。南監督は「ウチはセットで点を取る形を磨いていく。ふたり、3人で取り切れるように練習を重ねるなかで、連携を深めていった。そこに加えて彼らはどちらもランニングスピードという強みを持っていますから」と説明する。

 ともに2年生だった昨年春からコンビを組むようになった。鶴野が「どちらも仕掛けていけるし、すごくやりやすい。普段も仲がいいんです」と言えば、藤井も「お互いの求めているものが分かり合えています。約束事とかもなく、自然といい位置関係でいられる。僕が点を取れるのは鶴野のおかげです」と称える。この日のPKは鶴野がファウルを誘って得たものだが、「藤井の調子がいいし、譲りました。ハットトリックを決めてほしかったんで」と言って笑みを浮かべた。卒業後は左SBの不破将生と3人で、福岡大に進学することが決まっている。

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