“スルー”されたイスコの「ここで幸せ」発言。白熱する争奪戦を制すのはシティかパリSGか、それとも…

2019年01月01日 山本美智子

マドリーは移籍金の最低額を1億ユーロに設定か。

2019年、イスコはどこへ向かうのか。(C)Getty Images

 レアル・マドリーのイスコが、みずからの移籍について初めて口を開いた。

 サンティアゴ・ソラーリが監督に就任してからというもの、めっきり出場機会が減少したイスコ。移籍の噂が絶えないテクニシャンを、現地時間12月30日、スペインのテレビ局『CUATRO』のスポーツニュースのカメラが直撃した。この冬にパリ・サンジェルマン、あるいはマンチェスター・シティへ移籍するという噂は本当なのか。

「移籍? ない、ない。僕はここですごく幸せだから」とあっさり否定。さらに記者が、君の目標はマドリーで続けていくことなのかと畳み掛けると、「もちろん」と返答。「ここでたくさんのタイトルを獲りたい」と短く答えてみせた。

 この映像とイスコの発言は、あっという間に拡散されたが、この発言を信じた者は少ない。彼の獲得を狙うヨーロッパのクラブには、ほぼ"スルー"されたといっていいだろう。

 実際、『AS』紙は、このイスコの残留希望とも取れる発言があった直後、「ヨーロッパのさまざまなクラブがイスコの争奪戦を繰り広げている」と報じ、とりわけ、マンチェスター・Cは、監督のジョゼップ・グアルディオラが獲得を強く望んでいることから、クラブ側もそのための努力は惜しまないだろうと伝えている。
 
 他に名前が挙がっているのは、パリSG。イスコの父親であり代理人でもあるパコ・アラルコン氏が、パリSG会長のナーセル・アル=ヘライフィー会長と会談していることがすでにわかっており、移籍時期は夏までずれ込む可能性があるものの、強い関心を示しているのは間違いないようだ。

『AS』紙はまた、ルカ・モドリッチ獲得の噂が再燃しているインテルも、イスコ獲得に興味を示していると、イタリア紙『Tutto sport』の報道を伝えるかたちでニュースにしている。その他、チーム構成を大きく変えようとしているドイツ王者のバイエルンも、イスコには強い関心を示しているようだ。

 マンチェスター・C、パリSG、インテル、バイエルン…。新天地候補の名前が次々と挙がる中、注目されるのがマドリー側の動きだが、どうやら1億ユーロ(130億円)以下でイスコを売却するつもりはないようだ。

 そこには、キリアン・エムバペやネイマールなど、大物選手の獲得をあきらめきれないこの首都クラブの思惑がちらついている。

 移籍するのか、残るのか。移籍するとすればどこなのか。イスコとマドリー、その周辺のクラブの動きから目を離せない。

文●山本美智子(フリーランス)
 
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