開幕戦から何が見えた? バイエルンのスタートを番記者が診断

2014年08月25日 パトリック・シュトラッサー

新機軸の3バックは、メリットとデメリットの折り合いをどうつけるか。

大きな収穫が、17歳の新鋭ガウディーノ。シーズンを通しての貢献が十分に見込めるだろう。 (C) Getty Images

考察[1]
【3バックは中盤を活性化するが、リスクが高い】
 ヴォルフスブルクとの開幕戦(2-1)、ジョゼップ・グアルディオラ監督は、プレシーズンを通して試してきた3バックのシステムを用いた。ハビ・マルティネス(怪我)とジェローム・ボアテング(出場停止)という2人のDFを欠きながらもだ。
 
 3バックの顔ぶれは、右からフィリップ・ラーム、ダンチ、ホルガー・バドシュトゥバーで、サイドハーフ(ウイングバック)は右にアリエン・ロッベン、左に新加入のファン・ベルナト。ロッベンとベルナトは守備への戻りが遅く(とくにサイドに速いロングパスが入った局面で)、そのために危険なシーンを何度か作られた。
 
 たしかに厚みの増した中盤では数的有利を作りやすいが、このメリットと守備面でのデメリットにいかに折り合いをつけるか、それが課題だ。
 
考察[2]
【センターバックの補強がやはり必要】
 3バックでシーズンを戦い抜くには、センターバックの頭数が足りない。グアルディオラ監督は、ラームは中盤センターでの起用を想定している。現状ではダンチ、バドシュトゥバー、ボアテング、ハビ・マルティネスの4枚で、バドシュトゥバーは長期の故障明け、ハビ・マルティネスは左膝靭帯の断裂で少なくとも8か月の戦列離脱を余儀なくされた。最低でも1枚はレギュラー級を加えなければ、長いシーズンを乗り切ることはできないだろう。
 
 グアルディオラが望んでいるのは右利きのCBで、ローマのメハディ・ベナティア、アトレティコ・マドリーのディエゴ・ゴディンをリストアップ。資金的に余裕があるだけに、補強は実現するだろう。
 
考察[3]
【17歳の新鋭ガウディーノはブンデスリーガで通用する】
 ヴォルフスブルク戦でブンデスリーガ・デビューを果たした17歳のジャンルカ・ガウディーノは、説得力のあるプレーを見せた。実際、緊張を微塵も感じさせず、怖いもの知らずのパフォーマンスは圧巻だった。前半はバイエルンでもっとも走り、パスの成功率がもっとも高かった。才能はそれこそ無限大で、シーズンを通して戦力として十分な貢献が見込める。

次ページレバンドフスキにはまだまだ時間が必要だ。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事