森保ジャパンの視界は良好か?岩政大樹が分析するチームの現状とアジア制覇のポイント

2018年12月26日 岩政大樹

森保監督は常に自然体で、情勢を見極めて判断している姿勢が感じられる

今のチーム状態ならば、大きな怪我人がいなければ大崩れは考え難い。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 森保ジャパンになってから初のビッグトーナメント、アジアカップが来年1月に始まります。"代表戦に消化試合はない"と言われるものの、タイトルがかかった試合はやはり別物。特にアジアカップは優勝が目標となります。この大会如何で、その後の代表チームの流れを決めてしまうほどの威力がある大会だと思います。
 
 ここまでの半年間は順風満帆と言っていい船出だったでしょう。事実、森保監督は初めて招集した9月のメンバーをほとんどいじらずにここまで戦ってきました。当初は様々な可能性も頭にあったはずですから、これほどメンバーを固定したことは森保監督自身も意外だったのではないでしょうか。
 
 というより、森保監督からは常に自然体で、情勢を見極めて判断していこうという姿勢が感じられます。アジアカップでもあまり先に大会のプランを決めて挑むというより、大会に入り、様々な流れを感じながら都度判断していこうとしているのではないかと想像します。そういう意味では、今予想できることは少なくありません。3バックの導入も「必要なら」という感覚で、例えば「グループリーグのどこかで使っておこう」ということも今の時点では決めていないのではないかと思います。
 

 今のチーム状態ならば、大きな怪我人がいなければ大崩れは考え難く、決勝トーナメントに入り、一発勝負となってからが本当の戦いとなるでしょう。
 
 大迫選手を軸に、中島選手、南野選手、堂安選手が絡む攻撃はスピード感満載。それを引き出すボランチやディフェンスラインのビルドアップも、縦パスを常に頭に入れながらの意図したものになっているため、相手は掴みどころがありません。決勝トーナメントに入ってからもほとんどの試合が優勢に運べるはずです。
 
 ただ、当然ながら、それでもスコアが動かせなかったり、逆に相手に先制を許してしまうような試合もトーナメントの中では必ずあるでしょう。その時の戦いという面では、ここまでの試合では経験できるものではなかったため、一抹の不安があります。
 
 きっと、そういう時には大迫選手や柴崎選手、キャプテンの吉田選手や長友選手といった経験ある選手が中心になって、流れを引き込んでこようと試みると思われますが、願わくば、新しい世代の誰かがその中を割って「オレがやってやる!」という姿勢を見せて、それを結果にまで結びつけてくれると勢いがつくでしょう。2列目の3人だけでなく、遠藤選手や守田選手、三浦選手や冨安選手なども含めて、この大会を終える頃には、この先の日本代表の中心に名乗りを上げている可能性の高い選手は少なくありません。
 

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