あの「快速FW」がミラン復帰? 交渉の鍵となるのは…

2018年12月17日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

減俸はともかく移籍形態の交渉が鍵に。

ミラン復帰が囁かれているパト。(C)Getty Images

 ミランに元ブラジル代表FWのアレシャンドレ・パトが復帰する可能性があるようだ。現地時間12月17日、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙が報じている。
 
 最近のミランは開幕当初の4-3-3から4-4-2に移行し、前線はゴンサロ・イグアインとパトリック・クトローネがレギュラーを張る。ただ、控えが心許なく、本来はサイドプレーヤーのファビオ・ボリーニやサムエル・カスティジェホを回して凌いでいる状態。それゆえ来年1月の移籍市場で、「3人目のCF」を狙っている。
 
 当初のトップターゲットは、10~12年にエースを務めたズラタン・イブラヒモビッチで、レオナルドSDも交渉の事実を認めていた。ただ、現在所属するLAギャラクシーが希望する条件を用意したことで、本人は事前の約束通りこれを受け入れるようで、MLS残留が濃厚となった。
 
 続いて取沙汰されたのが、サンプドリアのファビオ・クアリアレッラ。こちらは代理人サイドからの売り込みだったようだが、すでに35歳ながら今シーズンもここまで15試合で9ゴール・5アシストと決定的な働きをしており、ミランも興味を持ったと伝えられた。ただ、先週末にサンプドリアとの契約延長で基本合意したようで、こちらも話が流れそうな状況だ。
 
 レオナルドSDなどミラン側はイブラヒモビッチ復帰を諦めていないとも言われるが、1月に選手を獲得するには時間がなくなってきた。そこで浮上したのが、パトの復帰だ。
 
 パトは2007年夏に弱冠17歳でインテルナシオナウからミランに移籍し、類稀なスピードとテクニック、そして決定力を武器に活躍し、10―11シーズンにはセリエA優勝にも貢献。公式戦通算150試合で63得点を挙げた。
 
 ただ、当時からとにかく怪我が多く、13年1月にはコリンチャンスへ放出。その後はサンパウロ、チェルシー、ビジャレアルを渡り歩き、17年1月には中国の天津権健へ完全移籍した。中国移籍後は大きな怪我もなくコンディションは良好なようで、在籍2年で59試合に出場し36ゴール・8アシストの成績を残している。
 
 パトは前回在籍時から自身を引き抜いてくれた同胞レオナルドと仲が良く、そのレオナルドがSDとして今夏にミラン復帰して以降は、ロッソネーロ帰還を強く望んでいるとされる。現在も頻繁に連絡を取り合っているようだ。
 
 しかし、FFP処分も決まったミランは1月に大型投資できる状況になく、パトがミランに復帰するには現在は900万ユーロ(約11億7000万円)だという年俸の減額、そして放出には完全移籍で2500万ユーロ(約32億5000万円)を求める天津権健にレンタルを了承させる必要があるという。
 
 本人がミラン復帰を強く望んでいるだけに減俸はハードルが低そうだが、天津権健にレンタル放出を認めさせるのが厄介な交渉になりそうだ。
 
 はたして、29歳になったパトの約6年ぶりのミラン復帰は実現するのか――。
 
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