【高円宮杯】夢の実現は4年後に――。桂陸人はトップ昇格を逃した悔しさを胸に新たなステージへ

2018年12月16日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

桂は精力的にプレーするも、ゴールを奪えなかった自身の結果に…

組み立てにも関与するなど、成長の跡を示した桂。大学でさらなる成長を果たすべく、課題の決定力向上を誓う。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 身長は160㌢。サッカー選手としては小兵の部類に入る。しかし、それを補って余りあるアタッカーとしての魅力を持つ。それが広島ユースの桂陸人(3年)だ。
 
 今回の2種年代最高峰の戦いプレミアリーグのファイナルでは鹿島ユースを向こうに回し、3-4-2-1のシャドーで奮戦。貪欲に仕掛けてゴールを狙えば、サイドに流れてクロスから好機を作り出す。得点に絡む場面はなかったが、10番としてチームの日本一に貢献した。
 
 そんな桂の武器は鍛え抜かれた足腰から繰り出すスプリントだ。
 
「自分の持ち味は運動量や切り替えの速さやスピード。サイドでプレーするときは仕掛けてガンガンやっていくところ」
 
 本人が自負するように何度でもアップダウン可能。快足を飛ばして一気にゴール前へ迫る姿は迫力満点で、底なしの運動量で攻守に貢献し、攻撃的なポジションからSBまで幅広く対応するポリバレント性も兼ね備える。一昨年にU-16代表でも活躍した注目株は、トップチームでも才能を高く評価されて今季は2種登録をされていた。
 
 自身の目標でもあるトップ昇格も十分に狙える――。しかし、自身の目標は実現せず、来年からは順天堂大で技を磨く形となった。
 
 実際のところ、昇格は検討されていたという。トップチームの練習では最前線やサイドハーフでプレーし、自身も手応えも得ていたなかで最終選考を通過できなかった。あと一歩のところでプロ入りは逃したが、トップチームの選手からも「なんで上がらないの?」と聞かれるほどの評価は得ていただけに悔しさは人一倍ある。
 
 ただ、下を向いてばかりはいられない。4年後に戻って来るために、さらなる成長を遂げなければいけないからだ。
 
 とりわけ、決定力を今以上に磨く作業は不可欠となる。今季は自ら志願して10番を付けるも、開幕直後はウイングバックを担当。最前線を担うにはゴールを奪うスキルに物足りなさがあり、希望するポジションは任されず。夏以降はシャドーや1トップを務め、リーグ戦では結果的に18試合で8得点を奪ったが、14得点を奪った僚友の大堀亮之介(3年)に水を空けられた。今回の決勝で無得点に終わったように肝心な局面でゴールを奪いきるという勝負強さも含め、1年を通じて課題を克服しきれなかったのは間違いない。

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