【セルジオ越後】今季のJ1残留争いはハイレベル? いやいや“どんぐりの背比べ”だよ

2018年12月11日 サッカーダイジェスト編集部

夏の補強で積極的に動くと、一気に覚醒

今季は浮き沈みが激しかった名古屋。まさにジェットコースターのような戦いぶりだった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 先日のJ1参入プレーオフ決定戦では、破竹の勢いで勝ち上がってきたヴェルディ相手に、ジュビロがJ1クラブの意地を見せて、2-0の勝利。残留を決めてみせた。
 
 これで来年のJ1を戦う18クラブが揃ったけど、今シーズンを振り返ってみると、フロンターレが史上5クラブ目となる連覇を達成したよね。その一方で、優勝を争うライバルたちの不甲斐なさ、上位グループの競争力の欠如が目立った。

 シーズンの前半戦は独走状態にあったサンフレッチェは、途中から失速。終盤は6連敗を含む9戦勝ちなしで、前半戦の貯金を活かして2位に踏みとどまったとはいえ、ネガティブな印象のほうが強い。

 同じく上位にいたFC東京も、8月以降は急速にトーンダウン。21節から3連敗で調子を崩すと、28節まで8戦勝ちなしと負のスパイラルにハマってしまった。ラスト3試合も1分2敗の成績で、6位でフィニッシュ。期待を裏切る結果となった。

 サンフレッチェやFC東京が勢いを持続できなかったから、フロンターレが頂点に立てたという見方もできる。ただ、一年を通して浮き沈みが少なく、最も安定した力を発揮していたのがフロンターレだ。どんな状況でも、決して諦めずに全力で戦い抜いた。王者に値するチームであるのは間違いない。

 フロンターレとは対照的に、サンフレッチェとFC東京は安定感を欠いたけど、同じようなチームが今季は少なくなかったね。
 
 その最たる例がグランパスだ。
 
 開幕2連勝と好発進したけど、その後は8連敗と3連敗を含む15戦勝ちなしで、最下位が定位置に。この時点でグランパスが残留すると予想できた人は少なかったはずだ。
 
 ところが、夏のマーケットで積極的な補強に動くと、一気に覚醒する。19節のベガルタ戦から、怒涛の7連勝で降格圏を脱出。最後は勝ったり負けたりを繰り返して、辛うじて残留にこぎつけたけど、まさにジェットコースターのような戦いぶりだった。

 今季の初勝利は7節のジュビロ戦まで待たなければならなかったガンバも、同様にアップダウンが激しかった。スタートダッシュに失敗して、そのままズルズル行くかと思いきや、監督交代を機に、上昇曲線を描く。
 
 25節のフロンターレ戦からは、クラブの最多連勝記録タイの9連勝を達成。新記録がかかっていた最終節はレイソルに完敗したものの、一時は降格の危機に怯えていたチームが結局9位でシーズンを終えることができた。

【PHOTO】Jリーグを華やかに彩るチアリーダーたち!

次ページ“らしい戦いぶり”で接戦をモノにしたけど…

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事