大迫勇也も全く動じず! 「試行錯誤中」のブレーメンは周囲の喧騒をよそにポジティブさを保つ 【現地発】

2018年11月29日 中野吉之伴

「太りすぎ」のエースが槍玉に上がるも…

一時は3位まで浮上したブレーメン。攻守で機能し、歓喜の輪がいくつもでき上がった、以前の充実したチームに戻るのはいつか!? (C) Getty Images

 ブンデスリーガ第8節のシャルケ戦に2-0で勝利した後、ブレーメンの関係者は皆、一様に上機嫌だった。
 
 それもそのはず。8節終了時での獲得勝点17は、実に13年ぶりのこと。フロリアン・コーフェルト監督は、「チームはとても成熟してきている。大人のパフォーマンスだった」と、チームのパフォーマンスを褒めていた。
 
 このままの調子を保つことができたら、目標のヨーロッパリーグ出場権どころか、チャンピオンズ・リーグ出場権も夢ではないのではないか。ファンの期待は膨らんでいく。
 
 ところが、9節レバークーゼンに2-6で大敗すると、ここから3連敗を喫した。
 
 コーフェルト監督は、試合ごとにマッチプランを準備して、様々なシステムや戦い方で試合に臨む。これまでは、うまくいくことが多かった。それは間違いなく、彼の手腕によるものだ。
 
 だが試合によっては、うまくはまらないこともある。変更が改善に繋がることもあれば、混乱に陥ることもある。それはどのチームにだって、起こりうることなのだ。だからこそ、そうした時にどうやって落ち着いで現状を分析し、取り組むかが重要だ。
 
 だが、周囲が先に騒ぎ出す。
 
「連敗だ。ピンチだ。どうするんだ」
 
 ドイツ・メディアは、チームの調子が傾き出すと慌てふためき、不安な材料を集め出す。過去のデータという、もっともらしい数字を出してきて、どれだけ今が危険な状況かを証明しようとする。
 
 最初に槍玉に上がったのが、エースFWのマックス・クルゼだった。
 
 ブレーメンでは絶対的な存在だが、「今シーズンはここまで、まだ得点にもゴールに絡めていない。違いを生み出せていない」と叩き始めた。さらに、「太りすぎで、身体にキレがない。大好きな『ヌッテラ(パンに塗るチョコレートクリーム)』を止めることができない」と、余計なお世話を焼き出す。
 
 だが、選手も監督も、そして関係者も、そうした挑発に乗る必要がないことをよく分かっている。
 
 クルゼはパーソナル・トレーナーと契約し、コンディションを取り戻そうとしている。前節フライブルク戦後のミックスゾーンでは、地元記者に対して、時に笑顔をまじえながら以下のように話していた。
 
「試合内容に完全に満足しているわけではないけど、これからも集中して取り組んでいく。いきなり全てが、急にうまくいくはずはないんだ。また良いプレーができるように頑張るよ」

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