会場入りが遅れるアクシデントに選手たちは…試合前の雰囲気を田嶋会長が明かす

2018年11月17日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「必ずしも順風満帆にいくよりも…」

ベネズエラ戦に臨んだ日本代表。渋滞に巻き込まれるアクシデントにも大きな動揺は見られなかった。写真:徳原隆元

[キリンチャレンジカップ2018]日本1-1ベネズエラ/11月16日/大分スポーツ公園総合競技場
 
 大分銀行ドームで行なわれたキリンチャレンジカップのベネズエラ戦前、まさかのアクシデントが起こった。高速道路が渋滞していた影響で、日本とベネズエラの両チームの選手を乗せたバスが試合開始1時間前になっても会場入りできない事態となったのである。
 
 結局、ベネズエラのバスが到着したのは18時45分頃、それから約5分遅れで日本のパスが会場に到着。試合は予定どおりに19時30分にキックオフしたものの、両チームともウォーミングアップの時間を十分に取れないまま(グラウンドに出ての練習はできず、室内練習場で身体を動かした)、試合に臨むことになった。
 
「自然渋滞、雨、事故。いろんなことが重なったんだと思います。どういう原因かをしっかり調べたうえで、そういうことがないようにしなければいけないなと改めて痛感しています」
 
 ハプニングへの対応の見直しを示唆した日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、会場入りした選手たちの雰囲気を明かしている。
「ベネズエラの選手も日本の選手も、全然なにもなかったかのように試合に入っていたという感じがしましたね。さすがだと思いました」
 
 田嶋会長は突然のハプニングにも動揺せず、試合に臨んだ選手を称賛。さらに試合内容についても、言及する。
 
「前半は良い形で崩しても点を取れなかったということもあります。しかし、しっかりと準備してアジアカップに臨むという意味において言えば、必ずしも順風満帆にいくよりも、こういう試合があるほうが良いと今は思わなきゃいけないと思っています。キルギス戦も簡単な試合にならないと思っています」
 
 日本は前半に酒井宏樹のゴールで先制しながらも、後半に追いつかれ、白星を取り逃した。森保一体制となってから4連勝とはならなかったものの、アジアカップなど厳しいトーナメントを勝ち上がるうえでは、多少の挫折を味わうことも必要。田嶋会長の言葉を借りれば、「順風満帆でいくよりも、こういう試合があるほうが良い」のかもしれない。
 
 今回のベネズエラ戦は、運営にとっても、チームにとっても、不測の事態に対応する"予行演習"となったようだ。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事