【鹿島】3失点後の“円陣”に、なぜセルジーニョだけが加わらなかったのか?

2018年10月25日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「逆に僕は前の選手として」ゴールに集中していた

1得点・2アシストと、チームの全得点に絡んだセルジーニョ。自身に求められるタスクを完遂した。(C)Getty Images

【ACL準決勝②】水原三星3-3鹿島/10月24日/水原
 
 3失点目を喫した直後だった。フィールドプレーヤーが集まり、円陣が組まれる。
 
 前半に幸先良く先制したゲームだったが、後半が始まって間もなく、わずか8分間で3つのゴールを奪われる。このままズルズルと行かないよう、一度、戦術面の確認や、落ち込みそうになる気持ちをお互いに高め合うための行動だったのだろう。
 
 その輪の中にひとりだけ加わらず、センターサークルで試合の再開を待つ選手がいた。
 
 セルジーニョだ。なぜ、自分も一緒になって"話し合い"に参加しなかったのだろうか。
 
 セルジーニョには、セルジーニョなりの考えがあった。
 
「僕はすごく冷静だったし、落ち着いてもいました。みんなが集まったのは、失点しているので、守備のことに関して修正しようとしていたわけであって。後ろのみんながあれだけ頑張って、なんとかしようとしているんだから、逆に僕は前の選手として、点を決めなければいけないんだっていう気持ちでした」
 
 その言葉どおり、背番号18のブラジリアンは自らに求められる仕事を完遂する。64分、左からのクロスをヘッドで流して西大伍のチーム2点目を演出。さらに82分、鈴木優磨のアシストから右足を思い切り振り抜き、値千金の同点弾を叩き込んだ。
 
 25分には狙いすましたFKで山本脩斗の先制ゴールをお膳立て。1得点・2アシストの活躍ぶり。文字どおり、"救世主"としてのハイパフォーマンスだった。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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