C・ロナウド凱旋の裏で目立ったユナイテッドの“粗”…彼らはなぜイタリア王者に圧倒されたのか?

2018年10月24日 内藤秀明

試合前に訪れたエモーショナルな時。

古巣との一戦で異彩を放ったC・ロナウド。その凱旋の意味の大きさは、試合前のスタジアム外の雰囲気からも伝わってきた。 (C) Getty Images

 かつてのエースが"夢の劇場"に帰ってきた。

 10月23日(現地時間)、チャンピオンズ・リーグ(CL)グループステージの第3節が行なわれ、グループHでマンチェスター・ユナイテッドとユベントスが対戦した。

 この試合で最大の注目を浴びていたのが、ユーベのクリスチアーノ・ロナウドだ。2007-08シーズンのCL優勝など、幾多のタイトルをユナイテッドにもたらした点取り屋が、オールド・トラフォードに凱旋したのである。

 かの地に戻るのは、レアル・マドリーに一員としてプレーした2013年3月のCLラウンド・オブ16の第2レグ以来、2度目だ。ユナイテッドを出て行ったのは2009年と、もう10年も前の出来事だが、ファンはあの頃の鮮烈な記憶を忘れてはいない。

 この日、スタジアムの周りには、ここぞとばかりにC・ロナウドのイラストが入ったアンオフィシャルのタオルマフラーを手売りする光景が数多く見られた。駅からスタジアムへと続く道にある露店でも、Tシャツやバッジなど、C・ロナウド関連のグッズが多く並んでいた。

「彼のグッズ? 結構、売れてるわよ。もうこれしか残ってないもの。買っていくでしょ?」とは、年配の女性店員の言葉だ。

 さらに元エースのイラストが入ったマフラーを首に巻く英国人のサポーターは、「今日は彼を見にきた。あの頃は攻撃的なサッカーだったし、思い出深いよね」と昔を懐かしんでいた。C・ロナウドが与える影響がいかに大きいかは、このようにピッチ外の雰囲気からも感じ取れた。

 試合開始前のユーベのスタメンを紹介するアナウンスでは、大半の選手にブーイングが浴びせられたが、背番号7の名が呼ばれた時だけは、やはり大きな拍手が送られている。とてもエモーショナルな瞬間であった。

 ただ、試合自体は0-1でユナイテッドが敗戦。ロースコアのうちに幕を閉じた。客観的に見て、「面白いゲームだった」と言えるかは、悩ましいところだ。とはいえ、深く考えさせられるゲームであったことは確かである。

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