「バルサ風のゴール」も決めた川崎を名手イニエスタと名将リージョはどう評した?

2018年10月21日 白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

4点目はとりわけ白眉だった。

中村(左)を軸とする川崎をイニエスタ(右)も称賛した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ30節]川崎5-3神戸/10月20日/等々力

 幸先よく13分にPKで先制した川崎だが、その後に前半だけで3失点。鬼木達監督が「全体的に固かったし、受けに回ってしまった」、中村憲剛が「あれはやってはいけない」と振り返った通り、試合の流れを握り損ね逆に窮地に追い込まれた。

 しかし、システム変更(4-4-2から4-2-3―1に修正)が功を奏したうえ、神戸の運動量が落ちてプレスの強度が弱まった後半は再び試合を支配し、最終的には5ゴールを奪取して逆転勝利。首位の座を堅持し、2年連続のチャンピオンにまた一歩近付いた。

 とくに白眉だったのが、69分の4点目だ。自陣から細かいパスを素早く繋いで敵を何度も揺さぶり、最後はエウシーニョ→家長昭博→大島僚太→小林悠→再び大島とすべてダイレクトで繋いで、完全に敵陣ゴール前を崩し切った。まるで最盛期のバルセロナを彷彿とさせるような、実に川崎らしいパスサッカーの神髄のようなゴールだった。鬼木監督や中村が「自分たちらしいサッカーをすれば崩せると信じていた」と振り返ったのも頷ける。
 
 それこそバルサの象徴として活躍したアンドレス・イニエスタ、そしてあのジョゼップ・グアルディオラの師とも言えるファン・マヌエル・リ―ジョ監督も、とりわけ後半に持ち味を発揮した川崎を称賛。両者とも「70分あたりまでは互角の試合ができていた」と前置きしたうえで、次のように語った。

「本当にチームとしてしっかりしていて、良いサッカーをしている。個人としても非常に良い選手が揃っているチームだなと思った」(イニエスタ)

「最終的には殴り合いの展開になってしまった。川崎はJリーグの中で、最もそうした戦い方を挑んではいけない相手だろう。テクニック的にも走力的にも質の高い選手が多いし、攻撃時に両SBも高い位置まで上げられる。中村と大島は展開力があるから、ボールを支配するとかなり危険なチームになる」(リ―ジョ監督)

 世界的な名手と名将も称賛した川崎のクオリティーは、やはり本物だ。

取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
 
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