久保建英、超絶FK弾は有言実行の一撃!! 初戦前日に語っていた最年少プロの矜持

2018年10月20日 塚越 始

前日練習ではスプリント練習で先頭を切って大きな声を掛けてチームを牽引

前日練習では、結果にこだわる姿勢を示していた久保。有言実行のFK弾を沈めてみせた。写真:佐藤博之

 U-19アジア選手権の初戦・北朝鮮戦を迎える前日の10月18日、U-19日本代表の久保建英(横浜)はうちに秘めたる闘志をふつふつと燃やしていた。
 
「この北朝鮮との初戦に集中してきました。まず明日の試合です。球際では強く行くところは強く行き、ただ、冷静さも失わないことが大切になると思います」
 
 そう語る久保の表情からは、しっかり試合に向けて集中できていることが感じられた。
 
 年齢は横浜FCユースの斉藤光毅とともにチーム最年少の17歳。ただ、前日練習ではスプリント練習で先頭を切って大きな声を掛けるなど、チームを牽引するような存在になっていた。
 
 久保自身も「(プロとして)結果がすべての世界に入り始めたところ。リーグ戦もそうですけれど、こうしたトーナメント戦では一発勝負になる。そういうところでの経験値を蓄えることも必要」と、『結果』にこだわる姿勢を示していた。それはまずチームの勝利であり、今回であればU-20ワールドカップ出場権獲得であり、個人としては得点にかかわることになる。
 
 迎えた10月19日の北朝鮮戦、「9 FW TAKEFUSA KUBO」の名前がスタートリストに載った。田川亨介(鳥栖)との2トップを組んだ久保は試合開始から、ボールを収めて最前線で起点を作りながらチャンスを狙う。さらに臨機応変に2列目に下がって、斉藤光毅や郷家友太のアタックを促す。
 
 そうした流れから8分、久保の左足のスルーパスを起点に斉藤の先制点が生まれる。「初戦で自分には試すほどの余裕がなかった。ただ早いなかであのようなプレーが出たことで、少し余裕ができました」と久保が振り返った、完全に北朝鮮の裏をかいた崩しだった。さらに、19分には伊藤洋輝の驚愕ミドルも決まって2-0とリードを広げた。
 
 この時点では日本の快勝かと思われたが、36分、41分とミスから失点。41分の瀬古歩夢のPKを与えた場面は、レッドカードが出ていた可能性もあった。
 
 すると後半に入り、両チームともにチャンスを作る攻防が続くなか、久保が魅せた。

次ページスピード、角度、駆け引き……完璧な一撃だった

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