日本戦では若手の抜擢も? 異例の長期政権を築く名伯楽が率いるウルグアイの現況レポ

2018年10月15日 チヅル・デ・ガルシア

名伯楽タバレスの総指揮の下、徹底した管理体制を構築

韓国戦では、ほぼ盤石の陣容を組んだウルグアイ。日本戦ではいかなるメンバーで臨むだろうか? (C) Getty Images

 10月16日の日本代表との試合に臨むウルグアイ代表は、今回のアジア遠征を前(厳密に言うと3週間前)にオスカル・タバレス監督が契約を更新し、4年後のカタール・ワールドカップに向けて本格的に始動したばかりだ。

 タバレス監督にとって5度目の契約、つまり代表チームにおける指導は第5期目に突入したことになる。1988年に始まり90年のイタリア・ワールドカップで終わった第1期から16年、そして2006年に代表監督の任務を再び引き受け、第2期をスタートさせてから実に12年である。

 その間、ウルグアイ代表はタバレス監督の総指揮のもと、ユースカテゴリーからトップチームまで指導方針や選手の情報管理など、あらゆる要素において一環した強化プランに基づき、徹底したベース作りを行なってきた。

 ウルグアイのユース代表が、以前は出場権を得ることさえ困難だった世界大会で結果を残すようになり、他の南米諸国が羨むほど、A代表に必要な人材を文字通り「育成」するサイクルができ上がっているのは、決して偶発的な仕事によるものではない。

 先のロシア・ワールドカップでウルグアイ代表は、23人中21人がユース代表での経験がある選手で構成されたチームで挑みベスト8、勝率では出場32チーム中3位の80%という好成績を残したが、これはまさしく過去12年間のぶれのない強化体制が生み出した確かな将来性を示すものとして、2010年の南アフリカ・ワールドカップでのベスト4にも匹敵するほどの有意義な結果だったと言っていいだろう。

 今回の来日メンバーには、フェルナンド・ムスレラ、ディエゴ・ゴディン、マルティン・カセレス、エディンソン・カバーニといったお馴染みの顔ぶれに、U-15時代からユース代表としてプレーし続けてきた20歳のフェデリコ・バルベルデとマルセロ・サラッチが加わり、ロシア・ワールドカップのチームと比較すると平均年齢が2歳以上も若くなっている(ロシア大会でのウルグアイ代表の平均年齢は28.7歳、今回は26.3歳)。

 また、2005年から13年間にわたってチームに不可欠な存在として貢献してきたベテランSBのマクシミリアーノ・ペレイラが招集されなかったことなどから、第5期目の出発点で思い切った世代交代に踏み切ったタバレス監督の決意が窺える。

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