金田喜稔がパナマ戦を斬る!「気になったのは伊東と室屋の動き。つねにスピード全快のプレー、あれなんとかならんかな」

2018年10月13日 連載・コラム

右のふたりはプレーに余裕がなさすぎた

伊東(14番)と室屋(左)は何度か右サイドから好機を演出したものの、トップスピードの使い方に問題が。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 正直勝つには勝ったけど、もう少し手応えのある相手じゃないと、正しい評価を下すのは難しいね。

 フレッシュな選手たちが、前回のコスタリカ戦に続いて必死にアピールしようしていたし、森保監督からも、いろんな選手を試して1月のアジアカップに備えたいっていう意欲は感じたけど、相手が相手だけに、チームとしての力量がいまひとつ推し量れなかったね。

 パナマはチームとしてのコンビネーションがほぼ皆無で、なんとなく個人の力でパスをつなぎ、なんとなくクロスを入れて、それでも3回くらいは決定機を作ったけど、あのレベルの相手だと、日本の悪いところが浮き彫りになってこないんだよね。
 
 僕が気になったのは右サイドのふたり、伊東と室屋の動きだね。ふたり揃って、「ボールを受けたら100%で!」みたいなプレーを見せていたけど、あれ、もうちょっとなんとかならんかな。

 室屋を攻撃に参加させる一方で、逆サイドの佐々木を絞らせて、冨安、槙野と3バック気味で守るというやり方の中で、右サイドはもう、ふたりとも「行ってこい」のサッカーをしているんだよね。走るのも、ドリブルも、オーバーラップも、つねにスピード全快で。あれは観ていてキツかった。

 前に行くことしか考えてないから、「止まる」ってことができないんだよね。いや、いいんだよ、彼らは一生懸命やっていたし、高いテンションでプレーできているのは悪いことじゃないから。ただ如何せん、プレーに余裕がなさすぎたな。

 右から相手に圧力をかけようという狙いはわかったけど、スピードに乗った状態でしかいいプレーができない彼らが止められた時の対応がお粗末。さあ、逆サイドに展開しようと思っても、佐々木が内に絞ってストッパーのような位置にいて、前の原口との距離感が開きすぎているから、次の展開にスムーズに移行できない。

 佐々木のオーバーラップが期待できないところは、大迫が縦に流れたり、南野が遅れてサポートしてカバーしようとしていたけど、そうなると今度は彼らがゴール前で本来すべき役割を果たせなくなる。かといって、原口が単独突破で内に切れ込んでいっても、潰されてマズい取られ方をすると一気に持っていかれる。

 そこを攻め切る力が今日のパナマになかったから大事には至らなかったけど、あれがもう少し力のあるチームだったら、そう簡単にはいかなかったはず。

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