結果だけでなく“インパクト”も残し始めた点取り屋――日本期待の『三銃士』の現況は? 南野拓実編

2018年10月11日 中野吉之伴

自問自答のなかで見出した“答え”

逆転ゴールを決めたセルティック戦は、それ以外にも頻繁にゴールに絡み、スタンドからは万雷の拍手が鳴りやまなかった。 (C) Getty Images

 日本代表は10月12日にパナマ(新潟)、同16日にウルグアイ(埼玉)と対戦する。

 9月の国際親善試合では、コスタリカと対戦して3-0で完勝。幸先の良いスタートを切った森保ジャパンにとって、先のロシア・ワールドカップにも出場したパナマ、そして南米屈指の強豪国ウルグアイとの対戦は、現状を把握するうえで重要な試金石となる。

 そんな強敵との対戦で注目したいのが、南野拓実、中島翔哉、堂安律の"三銃士"だ。9月のパナマ戦でも攻撃の軸となって躍動した期待の3人の現状とは? 現地記者にレポートしてもらった。

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南野拓実(レッドブル・ザルツブルク)
オーストリア・ブンデスリーガ:9試合(500分)・2得点・1アシスト
CL予選:3試合(43分)・1得点
EL:2試合(90分)・1得点
リーグ・カップ:1試合(66分)・1得点

 代表戦でのゴールが、なにか自身のプレーを変えたりするのだろうか。ふと、そう思って、9月23日のオーストリア・ブンデスリーガ第8節のラピド・ウィーン戦後に南野拓実に尋ねてみたことがある。

「そこに関しては正直今まで通りで。そこが大事だとは常に思っているし、攻撃の選手はそこがないと生き残っていけない。こだわって続けていきたいと思います」

 この試合でフル出場を果たした南野は、36分に先制点をマーク。その得点シーンは相手の守備にチャンスを与えない、素早い動きからの見事なシュートだった。ゴールという目的地を意識していないとできない、流れるようなプレーであった。

 ゴールは自身の言葉通り、いつでも狙い続けている。たとえ、出場時間が試合終盤の数分間であったとしても、1度しかシュートチャンスがなかろうと、そのための準備は欠かさない。どん欲に狙う。そうやって一つひとつの出場を大事にしてきたからこそ、南野は昨シーズンの公式戦で、チーム2番目の11ゴールを挙げた。

「自分がやるべきことをしっかり積み重ねて、結果を出すことを意識していた。そこは自分の中で手ごたえを感じている」

 南野は欧州に渡ってから約3年で一番出場時間が短かった昨シーズンの最終戦後に、そう話してくれた。悩む時期もあっただろうが、本人は自問自答のなかで"答え"を出していた。

「ゴールは大事だけど、それ以上に、チームに別のところで貢献する大切さ、必要さを感じました。守備、あるいは前でボールをしっかりとおさえるところ。

 じゃあ、僕はどうすればいいかと考えたのは、前や裏でも受けられるので、しっかりとボールを受けて起点になる。中盤でもっとボールを前向きに受けてドリブルで運んでいければ、そういう回数をもっと増やせれば、使ってもらえるんじゃないかなと」

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