「遠藤と柴崎のコンビを推す」世代交代が進む“森保ジャパン・理想の先発11人”は?

2018年09月26日 佐藤俊

来年1月のアジアカップを見据えてセレクトするなら…

佐藤氏が現時点でピックアップした森保ジャパンの「アジアカップ先発布陣」。最終ラインは経験を重視した人選だ。

 チーム作りで大事なことは全体のバランスである。
 勢いがある若手ばかりでも、ベテランばかりでもなく、両者と中堅層をうまく融合させていく中でチーム全体の総力を上げていくのが理想。そういう意味では、後ろにワールドカップ経験者を配置し、守備を計算できる状態にしつつ、前線と中盤に中堅層を入れ、若い選手をサポートし、伸び伸びできるような布陣がベストだ。
 
 各ポジションを個別に見ていくと、GKは東口順昭(ガンバ大阪)と中村航輔(柏レイソル)のロシア・ワールドカップ組が今後は出番を争うことになるが、東口はコスタリカ戦で安定したプレーを披露し、ガンバ大阪でも好セーブを見せている。ワールドカップでプレーできなかった悔しさを抱え、今は結果を出すことに意欲的なので東口に任せてもいいと思う。
 
 DF陣は、ロシア・ワールドカップ組を並べた。
 ロシア・ワールドカップでの最終ラインの4名は世界相手に安定感のある守備を見せた。吉田麻也(サウサンプトン)はこのチームでは守備はもちろん、チームにおいてリーダーシップを執ることを期待。昌子源(鹿島アントラーズ)は槙野智章(浦和レッズ)、三浦弦太(ガンバ大阪)との争いになるが、吉田とのカップリングのおける相性の良さや経験を考えての選択だ。
 
 右サイドバックの室屋成(FC東京)はコスタリカ戦でアグレッシブなプレーを見せたが、総合力では酒井宏樹(マルセイユ)にまだ及ばない。海外での経験値の差も大きく、ここは不動だ。左サイドバックも長友佑都(ガラタサライ)がワールドカップ後も好調を維持しており、来年1月のアジアカップでも代える要素がない。

 長友、昌子、吉田、酒井の最終ラインがワールドカップ後、誰も抜けることなく、健在なのはまさに奇跡的。あえて言えば、左サイドバックに山中亮輔(横浜F・マリノス)、松原后(清水エスパルス)を入れ、安定している最終ラインの中で成長させ、長友の後継者を育てることができればよりプラスだ。
 
 ボランチは、遠藤航(シント=トロイデン)を軸に3つのセットが可能になると思っている。遠藤航+柴崎岳(ヘタフェ)、大島僚太(川崎フロンターレ)、井手口陽介(グロイター・フュルト)だ。
 
 第1ボランチは長谷部誠(フランクフルト)が抜けた今、遠藤で問題はないだろう。コスタリカ戦では対人の強さ、読みの良さも見せていたし、アンカーもできるタイプ。キャプテンシーもあり、次代のキャプテン候補でもある。柴崎、大島と組むとやや守備重視になるが、それでもバランスを取れるタイプなので心配はなく、井手口とはリオ五輪でもコンビを組んでいたので違和感なくプレーできるだろう。個人的には遠藤、柴崎のコンビを推す。
 

次ページ大迫と誰を組ませるのかがポイントだ

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