【柏】193㌢のケニア人FWは空中戦が弱い!? 好調の新戦力・オルンガの真価と可能性

2018年09月23日 鈴木潤

鳥栖戦ではゴールに絡む活躍。

ケニア人FWのオルンガ。鳥栖戦ではゴールに絡んだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ27節]柏1-1鳥栖/9月22日(土)/三協F柏
 
 27節・鳥栖戦前の3試合で、いずれも途中出場ながら1得点・2アシストの数字を残したオルンガ。そうして迎えた鳥栖との一戦で柏に加入後、初めてスタメン出場を果たした。

 オルンガは40分、小池龍太の縦パスを受け、サポートに来た大谷秀和に落とした。これが大谷のスルーパスとフリーランニングで最終ラインの背後へ抜けた小池のクロスへつながり、瀬川祐輔の先制点が生まれた。得点やアシストという形ではなかったが、オルンガはこの試合でも得点に絡んだ。

 オルンガは193㌢の長身である。それだけに、鳥栖戦でGKのロングキックや後方からのクリア気味のアバウトなボール、あるいは両サイドのクロスに対してマーカーに競り勝つ場面が多ければ、もう少しチャンスは増えていただろう。そのため、「競り合いでリードしてくれると思い、裏に抜けたり、セカンドボールを拾おうと考えていた」と、2トップを組んだ瀬川もオルンガの周囲を動き回り、流れてくるボールを虎視眈々と狙っていた。
 
 しかし、実際に後方にすらして瀬川の裏抜けを促す場面や、ゴール前の局面で圧倒的な制空権を発揮することはなく、ハイボールの競り合いでは鳥栖のジョアン・オマリ、高橋祐治に競り負ける場面も目立った。
 
「高さはあるけど、すべてがヘディング、ヘディング…というタイプではない」と大谷は言うが、決して空中戦に弱いわけではない。実際、前節の清水戦では打点の高いヘッドでクリスティアーノの得点をアシストしている。ただ、ハイボールに対してマーカーより先に触ることはあっても、193㌢という数字が示すほど相手を圧倒する制空権の強さは持たないということだ。
 
 したがって、大谷はオルンガの使い方をこう説明する。
「入れるなら胸か足元がいい。足元は上手い選手だから。懐は深いし、しっかりと動ける選手なので、ミカ(オルンガ)が相手を背負って、(パスを)ぶつけた選手が入っていく。それを囮に使って、ミカがシュートを打つ場面もあった。そこはもっとやっていけば全体のイメージが共有されていくと思う」

次ページオルンガのストロングポイントを活かすためには…

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