U-16代表がW杯出場を懸けたアジア予選へ!エース西川潤を擁する個性派軍団の実力は?

2018年09月19日 川端暁彦

マレーシアで行なわれるU-16アジア選手権は9月20日に開幕

日本はグループステージでタイ、タジキスタン、そして地元マレーシアと対戦する。写真:川端暁彦

 9月20日、マレーシアの地でU-16アジア選手権の幕が開ける。
 
 2002年生まれ以降の選手で構成された「日韓W杯世代」がまず挑むのは、4強以上に与えられる来年のU-17ワールドカップ出場権争い。その上で、「アジアチャンピオンになる」(半田陸/モンテディオ山形ユース)野心を抱いてのチャレンジとなる。
 
 グループステージではタイ、タジキスタン、そして地元マレーシアと中2日で3連戦。そこから中3日を挟んで30日に世界大会出場権の懸かる勝負の準々決勝という流れになる。
 
「これが2次リーグ制で4か国ずつに分かれて上位2チームが世界大会出場というルールなら、上ふたつに入れる自信はある。でも実際は一発勝負。なにが起こるか分からない、確実にシビれる試合になる」(森山佳郎監督)
 
 U-16でもU-19でもスリリングな試合になるこの世界切符決定戦は、エンターテインメントとしては最高峰。選手がシビアな試合経験を積めるという意味でも決してネガティブではないのだが、同時にしんどいのも間違いない。人生で感じたことのないプレッシャーを乗り越えられるかどうか。個としての強さ、そしてもちろんチーム力が問われる舞台となる。
 
 今年初頭からこのチームの指揮を執ることになった森山監督は、まさにこの試合に向けてチームと個人を錬磨してきたとも言える。6月に仙台で開催されたインターナショナルドリームカップで3戦全敗を喫するなど危機感を募らせる試合が続いていたが、ここに来て選手たちの成長に手応えも感じている様子だ。
 
 象徴的なのは、そのインターナショナルドリームカップはインターハイ予選のために欠場していたFW西川潤(桐光学園高)の急成長だ。インターハイではチームを決勝進出に導く大活躍を見せ、大会直前に行なわれた鹿島アントラーズユースとの練習試合でも2得点・1アシストの大暴れを見せ、「キレキレですね。頼りになります」(半田)とチームメイトからの信頼も改めて厚くなっている。
 
 インターハイ出場のため、インターナショナルドリームカップだけでなく8月のヨルダン遠征にも参加できず、代表チームには参加していない時期が長かった。だが、「それがかえって良かった」と森山監督はポジティブに解釈。変に西川頼みのチームになることもなく、しっかりケーキの土台を作った上でイチゴを乗せるように、西川を最後に組み込み、チームを仕上げてきた。
 

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