【鹿島|戦評】ふてぶてしいまでの勝負強さ。耐え忍び、勝機を掴むのが「今のベスト」

2018年09月15日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「すべてを圧倒して勝つのはたぶん、難しい」(西)

湘南戦は苦しみながらも、最後は鈴木(9番)のゴールで勝点3をもぎとった。写真:徳原隆元

[J1リーグ26節]鹿島 2-1 湘南/9月14日/カシマ
 
 たとえ前半は主導権を握られたとしても、今の鹿島はどこか安心して見ていられる。むしろ、0-0で前半を折り返せば、後半の"逆襲"が楽しみになってくる。
 
 事実、49分にはセットプレーの流れから、最後は西大伍のクロスを土居聖真が押し込んで先制に成功。66分に一瞬の隙を突かれ同点に追いつかれるも、90+1分には、再び西のクロスから途中出場の鈴木優磨が豪快なヘディングシュートを突き刺し、決着をつけた。
 
 最後に勝てばいい――そんな割り切った戦い方を辛抱強く貫く。劣勢の時間が長く続いても、慌てる素振りは見せない。
 
 西はチームの現状を次のように語る。
 
「今のこのチームで、すべてを圧倒して勝つのはたぶん、難しいので。理想と、現実的に考える部分の難しさがあって、我慢とか、守備からっていうのをやっぱり、やらないとダメかなと思いますけどね」
 
 相手を圧倒できない理由は「いろいろある」(西)。それを理解したうえで、勝利を引き寄せるためには何をすべきかを、選手たちは理解しているのだろう。そして、最後に勝つ。
 
 我慢するところは我慢する。守ると決めたら、それ以上は求めない。愚直に、攻め込んでくる相手の攻撃を一つひとつ、潰していく。それだけに集中する。そして、流れが来れば、ワンチャンスを確実にモノにしていく。
 
「今日は、我慢するところはみんなで我慢していたし、決定的なピンチはそんなに作られなかった。こっちもあんまり(チャンスは)なかったですけど」(西)

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