日本代表選出のシュミットが願う、CSKAモスクワ移籍の西村との「運命的な」再会

2018年09月02日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「そこを実現できたら良いなと思います」

日本代表に選出されたシュミットが、CSKAモスクワへ移籍する西村との再会を望んだ。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ25節]仙台2-1清水/9月1日/ユアスタ
 
 J1リーグ25節の仙台対清水が9月1日、ユアテックスタジアム仙台で行なわれ、仙台が2-1で勝利した。
 
 ゲームは24分にCKから大岩一貴のゴールで仙台が先制したが、55分に清水のドウグラスに同点となるヘディング弾を許した。しかし後半アディショナルタイム、中野嘉大からの折り返しのボールに合わせた石原直樹が決勝点を奪い、劇的な逆転勝利を飾った。
 
 この一戦の前の8月30日には、9月上旬に行なわれるキリンチャレンジカップ2018に向けた日本代表23名が発表され、仙台からはGKのシュミット・ダニエルが選ばれた。1失点したとはいえ、シュートがクロスバーを弾いた撥ね返りが、自身に当たって入ったゴール。そのワンシーンを除けば好パフォーマンスを披露しており、シュミットは試合を次のように振り返った。
 
「あんまりピンチがないなかで、集中して守ってくれたチームメートに感謝しています。(失点は)反応するところまではできていたので、ネガティブには捉えていないです。最初の段階で弾き出せれば良かったかと思いますが、最後は自分の身体に当たって入ったので仕方がないのかなと思います」
 
 そして、サポーターからは日本代表に選出されたことで、シュミットへ横断幕が掲げられた。その内容を見て、代表GKは気持ちを高ぶらせていた。
 
「(横断幕には)通過点と書いてありましたよね。その通りだと思うし、そういう風に期待してくれるのは嬉しいです。一回の招集で終わらないようにリーグ戦でもアピールし続けられるよう、しっかり良い状態を保ったままチームに戻って来たいです。(代表では)自分の長所をしっかり出し、良い成長の機会だと捉えて、他のプレーヤーから(良いところを)盗んだりして、定着できるようにアピールしたいです」
 もうひとつ、清水戦の前には仙台に驚きのニュースが入っている。8月31日、FWの西村拓真がロシアのCSKAモスクワへ完全移籍すると発表されたのだ。勝利を飾った試合後には壮行セレモニーが行なわれ、サポーターへ挨拶をした西村は最後に「日の丸をつけて日本に帰って来れるように頑張ってきます」と約束していた。
 
 そのことについてシュミットは、勝利で西村をロシアへ送りだせたことを喜びつつ、こんなことを述べている。
 
「拓真が抜けるのは痛いですけど、彼のサッカー人生において良い決断だと思うし、それを送り出す試合でしっかり勝てたのは凄く良かった。彼も勇気づけられたと思うし、頑張ろうという気持ちになれたと思うので、あっちでどれくらい活躍できるか期待したいと思います。まあ、代表で会って再開できたら、それも運命的なのかな。お互いに生え抜きだし、そこを実現出来たら良いなと思います」
 
 仙台に入団したのは、シュミットが2014年、西村が15年。前者は熊本や松本にレンタル移籍したシーズンもあったが、GKとFWのふたりはトレーニングから切磋琢磨してきただろう。
 
 言葉通り、シュミットは「定着できるようにアピール」して、西村は「日の丸をつけて日本に帰って来れる」ように頑張り、ふたりが日本代表で再会することを願いたい。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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