夏の通信簿は70点! タイ・サッカー界随一のスターはベンチスタートが続く現状に何を思うのか?

2018年08月30日 佐々木裕介

「チーム練習は非常に内容が濃く、自らを追い込む練習も出来ているので体調は良い」

18節の浦和戦以来、ベンチスタートが続くティーラシンだが、高い集中力で攻守両面での活躍を見せている。写真:徳原隆元

 ティーラシン・デーンダー。タイ代表不動の10番で、タイのファンから"神様"と呼ばれ愛される30歳は、今季サンフレッチェ広島に加入し、J1リーグで首位を走るチームで奮闘している。
 
 その"神様"のJリーグデビューは称号に恥じないセンセーショナルなものだった。ホームに北海道コンサドーレ札幌を迎えた開幕戦に先発出場。同郷の札幌MFチャナティップ・ソングラシンと相まみえるとあって、スタンドには多くのタイ国旗が揺れるなか、彼は先制ゴールを難なく決めてみせたのだった。
 
 あれから6か月、彼の現状を知るべく、J1リーグ24節のセレッソ大阪との試合を取材した。
 
 ティーラシンはこの試合も途中出場、60分にFW渡大生に代わってピッチに送り込まれる。アウェーで1点を死守して勝ち切りたいチームにあって、前線からの守備での貢献が目立った試合だった。そんな彼に試合後、直接話を聞かせてもらった。


――日本での初めての夏、どのように過ごしていますか?
「チームは首位を走っているので、日々心地良いプレッシャーを感じながら生活できています。プライベートは、音楽を聴いたり、映画を観たり、子どもと遊んだり。皆さんと同じく、ごく普通に家族と過ごしていますよ」
 
――タイの夏も暑いですが、今年の日本は猛暑です。体調管理は難しいでしょう?
「タイと日本では湿度の種類が違いますよね。でもそれはそこまで気になりません。またチーム練習は非常に内容が濃く、自らを追い込む練習も出来ているので体調は良いですよ」
 
――代表でもクラブでも絶えずスタメン出場していたあなたが、広島では途中出場が多い。その辺りどのように感じていますか?
「気持ちはそんなに変わりません。確かにスタメンだと0-0のフラットな試合運びができる一方で、途中からだといろんな状況があるなかで、素早く試合の流れを把握してプレーしなければならない難しさはありますが、どういう形でも自らの100%を出し切ることが大事だと思ってプレーしています」
 
――チームは首位、来季ACL出場も見えてきましたね。タイ凱旋試合のイメージも出来上がっているのでは?
「いやいや、まだそこまで考えられていませんよ。いまは目の前の試合を一つひとつこなすのが精いっぱいです。また自らのプレーも改善しなければならないとも思っています」
 

次ページタイでの強烈な存在感を知るだけに、数字にはインパクトの弱さを感じてしまうが…

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