Uー21森保ジャパンに求められる「修正力」。4-0大勝のパキスタン戦にも不安材料が…

2018年08月17日 清水英斗

スタメン8人を入れ替えた日本がエネルギッシュな立ち上がりを見せた

カンボジア戦では4ゴール。森保監督のメンバーチェンジは奏功したが、後半は攻撃が停滞した。(C)SOCCER DIGEST

 アジア競技大会グループリーグ第2戦、U-21日本代表はU-23パキスタン代表に4-0で勝利し、2連勝で決勝トーナメント進出を決めた。

 序盤はネパール戦の反省が生きたのだろう。立ち上がりの2分、右CBの岡崎慎がフリーでボールを持つと、ダイアゴナルにロングボール。左シャドーの岩崎悠人が相手DFの裏を取って斜めに走り込み、相手DFの追撃を身体でブロックすると、そのままゴールへ流し込む。幸先よく先制した。

 さらに9分、左CBの大南拓磨がドリブルで敵陣深くに持ち運び、ペナルティエリア前からアーリークロス。右シャドーの旗手怜央が斜めに走り込み、正確なコントロールで追加点。1トップに前田大然、2シャドーに岩崎と旗手。飛び出しに長けたストライカー3人を組み合わせた日本は、ネパール戦では見られなかったダイレクトな形から電光石火の2ゴールを挙げた。
 
 この2ゴールに関しては、パキスタンが日本を研究しすぎた嫌いもある。彼らは最終ラインを上げ、日本のMFにスペースを与えないように中盤をコンパクトに締めたが、その裏を一発で突かれてしまった。
 
 ネパール戦の上田綺世、三好康児、三笘薫に比べると、この試合で起用された日本の1トップ・2シャドーは、スピード豊かで、ダイナミックだ。中盤を警戒した様子のパキスタンに対し、スタメン8人を入れ替えた日本が虚を突く、エネルギッシュな立ち上がりだった。
 
 DFの岡崎と大南が、その起点になったのも好材料と言える。ネパール戦と同じく、パキスタン戦でも、日本の左右のCBはフリーになりやすかった。
 
 パキスタンは4-3-3の基本形から、両ウイングがマンツーマンで付いて下がり、6-3-1に近い形になる。特に右ウイングの15番ザイヌル・アビディーン・イシャクは、背中で相手を見ようとする左ウイングの10番ムハマド・リアズに比べて、最終ラインに下がって構える傾向が強い。その結果、中盤サイドに相手がスライドしきれないスペースが空くのは、ネパール戦と同じだった。
 
 ネパール戦ではこのスペースを生かしきれなかったが、9分に左CBの大南がドリブルで切り裂き、1試合目との違いを見せた。加えてパキスタンの中盤3人は、スライドしきれないどころか、マンツーマンでMFに付いたまま、スライドもせず。大南の駆け上がりはノーマークだった。日本は素早いアーリークロスに飛び込むFWも揃っており、2点目はあっさり決まった。
 

次ページ変化が常にベンチ主導。ピッチ内で解決できるようになればいいが

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