名古屋の勢いは本物か?キャプテンの佐藤寿人が明かした”新戦力”の効能

2018年08月16日 佐藤俊

「最下位のチームに来るってことは、ひとつ間違えば来年J2でプレーする可能性だってありえる」

キャプテンを務める佐藤は、新加入組の覚悟を感じている。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 名古屋グランパスが勢いに乗り始めた。
横浜F・マリノスに2-1で勝ち、これで4連勝。最下位から脱出し、まだ16位だがJ2降格圏から一気に抜け出しそうな気配だ。
 
「4連勝はフロックではない。力がついてきた証拠だと思う」
 
 佐藤寿人は、そう言う。
 名古屋は、6月から7月にかけて中谷進之介、丸山祐市、エドゥアルド・ネット、金井貴史、前田直輝ら主力級の選手を獲得。中谷、丸山がCBコンビを組んでから5試合になるが、これまで4勝1分けと移籍効果が出ている。
 
 佐藤も彼らの加入が非常に大きいという。
「マリノス戦は最終ラインの3人(金井、中谷、丸山)、それにエドゥアルド・ネット、直輝(前田)も新加入組ですが、彼らの存在は非常に大きいです。チームに大きな変化を与えてくれた。シーズン途中で、あれだけの選手が来てくれるのはなかなかないことですし、最下位のチームに来るってことはひとつ間違えば来年J2でプレーする可能性だってありえるわけです。そういう状況で来てくれたということは、みんな、すごい覚悟を持って来たと思うんです。そういう選手たちと元からいる選手がひとつになってJ1残留のためにやっていく雰囲気になっています」
 
 彼らが最終ラインに入って極端に失点が少なくなったわけではないが、個々の守備能力が高いので広いエリアをカバーし、クロスをしっかり撥ね返すようになった。横浜戦では両ウイングバックから鋭いクロスが何本も入ったが彼らは冷静に対応していた。
 
「マリノス戦もそうだけど、粘れるようになってきた。相手に押し込まれる時間が長かったけど、中谷と丸山のところが強いので、チームとして崩れないでいられる。我慢の試合だったけど、みんなハードワークして耐えるところを耐えられるようになった。それが簡単にゲーム落とさなくなったひとつの理由だと思う」
 
 守備が崩壊せず、踏ん張れるようになったことで攻撃も機能してきた。横浜戦はカウンターとともに相手両ウイングバックの裏のスペースを狙い、サイド攻撃を徹底した。対戦相手や状況によって攻撃パターンを変えつつも狙いはしっかりしている。そのせいか、ジョーはここ4試合で7ゴールと量産体制に入り、好調を維持している。
 

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