【総体】山梨学院の10番が2G&1A!プロ入りに拘る男が示した矜持

2018年08月11日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

「郁万もプロ入りを決めているから自分も負けてられない」(宮崎)

抜群の決定力とスピードを持つ宮崎が掲げる目標は卒業のプロ入り。今大会は就職活動の真っ最中だ。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[インターハイ準々決勝]山梨学院3‐2日章学園/8月11日/三重交通G

 2度のビハインドを背負った山梨学院(山梨)を救ったのは、頼れる10番だった。
 
 8月11日、インターハイの準々決勝が行なわれ、山梨学院は過去最高成績となるベスト4進出を決めた。
 
 日章学園(宮崎)と相まみえた山梨学院は、前半終了間際にFKから失点。後半開始直後に10番・宮崎純真(3年)のアシストから平松柚佑(2年)のゴールで一度は追い付いたが、後半15分に再び得点を許してしまう。
 
 1点ビハインドの状況で残された時間は20分。ここから会場の視線を独り占めにしたのが、山梨学院のエース・宮崎だ。

 快速で鳴らすストライカーは22分、GK市川隼(3年)が蹴ったロングフィードのこぼれ球を拾うと、巧みなステップでゴール前に侵入。最後は右に流れながら右足を振り抜き、値千金の同点弾を決めた。
 
 勢いに乗った10番は続けざまに魅せる。28分、市川のゴールキックを最前線で受け、相手DFを上半身で抑えながらターン。前を向くと、利き足と逆の左足で豪快にニアサイドの上段を打ち抜いたのだ。
 
 鮮やかすぎる2発でチームを逆転勝利に導いた宮崎。しかし、現状に満足をしておらず、「年代別代表を狙っていますし、郁万もプロ入りを決めているから自分も負けてられない」とした。

 それもそのはずだ。中学時代にFC多摩Jrユースでともに戦った僚友・関川郁万(流経大柏/3年)が鹿島入りを決めているからだ。
 
 自身の目標は関川と同じように高卒でのプロ入り。現状で具体的な話は来ていない。つまり、今大会で誰よりもゴールを量産するのは必須で、そのうえでインパクトを残す必要がある。
 
 ただ、今大会で結果を残しているFWのひとりであるのは間違いない。すでに4得点を挙げ、この日章学園戦は2ゴール・1アシストを記録。得点以外のプレーでも1回戦の市立船橋戦で「ボールが収まって、自分でも仕掛けることができた」と自己分析するように、全国でも十分に通用するプレーヤーであると証明している。
 
 快足を利したドリブル突破でブレイクを果たした1年次の選手権と比較し、パワーもシュート精度も著しく向上。宮崎はアタッカーから本物のストライカーへと変貌を遂げつつあるのは間違いないだろう。

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