【総体】熱中症対策は十分だったか?主催者やJFA、各チームが講じた施策と効果

2018年08月20日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

大会主催者側がJFAと連携して取り組んだ熱中症対策は?

インターハイのピッチは、容赦ない日差しに照らされた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 連日、酷暑のニュースが取り上げられている。40度以上となる日もあり、茹だるような暑さに多くの人が参っていることだろう。その問題は三重県で開催されたインターハイの男子サッカー競技でも同様だった。
 
 初日こそ、太陽が姿を見せず幾分過ごし易かったが、2日目からは容赦ない真夏の日差しがピッチに降り注いだ。第1試合の試合開始となる10時の時点で30度超え。最も気温が高くなる12時キックオフの第2試合では、35度以上に達する試合もあった。
 
 そこで重要になったのが熱中症対策だ。WBGT値(※1)が28度以上になった場合、JFAで策定している熱中症対策ガイドラインに基づき、クーリングブレイク(※2)もしくは飲水タイム(※3)を設ける必要がある。
 
(※1=暑さ指数/熱中症を予防するために1954年にアメリカで提案された指数、※2=屋根があるベンチに戻り、前後半の各折り返し地点で3分間の休息を取る時間、※3=30秒から1分間でベンチ前に戻って飲水を取る時間)
 
 しかし、今夏のインターハイは大会前の7月から高温となる日が続いていたため、主催者側で独自の基準を策定。28度を超えた場合は必ずクーリングブレイクを導入。31度を超えると、加えて飲水タイムを取った。また、28度以下の場合でも、会場長、主審、マッチコミッショナーの判断で、クーリングブレイクと飲水タイムの実施有無を決められる運用方法を取り入れた。

 また、JFAのガイドラインではWBGTの数値を試合開始の直前に図り、試合中に数値が変わったとしても原則対応(著しく状況が変わった場合は変更可)は変えないというルールがあるが、今大会ではこのルールにも手を加えた。クーリングブレイクと飲水タイムを設けるか否かのジャッジを、3つのタイミングで実施することも決めたのだ。ひとつ目は試合開始1時間前に行なわれるマッチコーディネーションミーティングの前、ふたつ目は試合開始30分前、そして最後がハーフタイムだ。
 
 このクーリングブレイクや飲水タイムを取った際の時間はアディショナルタイムに加算される。今大会のアディショナルタイムが5分以上取られる場合が多かったのも、そのためだ。

次ページ各チームも独自に熱中症を予防。なかには栄養士に助言を求めた学校も

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