Jクラブが争奪戦を繰り広げる16歳! 桐光学園2年生10番、西川潤が放ったエースの輝き!

2018年08月10日 安藤隆人

「苦しい時こそ自分がなんとかしなければいけない」

桐光学園の10番を背負う2年生FWの西川。チームのピンチを救う働きを見せた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[インターハイ3回戦]桐光学園3-1明秀日立/8月9日/三重交通G
 
 1回戦、2回戦で「眠っていた」(鈴木勝大監督)桐光学園のナンバー10・西川潤がようやく目を覚ました。
 
 U-16日本代表であり、1年時から名門の10番。そして早くも『来年の最大の目玉』としてJクラブの争奪戦が始まっている16歳は、1回戦の一条戦ではチームのオープニングゴールを決めたが、これはPKだった。
 
 2回戦の習志野戦では左サイドを得意のドリブルで活性化させたが、ゴールに直結するプレーは見せられず、チームは1-1からのPK戦で薄氷の勝利を掴んだ。
 
 そして、迎えた3回戦の相手は明秀日立。連戦とインターハイ開幕から最も高温に見舞われた気候も重なり、西川を含めて全体の動きは重かった。前半12分にDF内田拓寿が鮮やかなボレーシュートを叩き込み、先制に成功はしたが、追加点を奪えずに時間が経過。後半13分には左サイドでボールを受けた明秀日立・DF大山航に鋭い切り返しからループシュートを決められ、1−1の同点に追いつかれてしまった。
 
「嫌な流れになって行くのが分かった。ここでこっちが点を獲らないと、負けてしまうと思った。チームが苦しい時にこそ、自分がなんとかしないといけないと思った」
 
 相手に流れが傾きかけたことを察知した西川は、エースとして、FWとして自分が何をすべきかを考えた。

「自分が気の抜けたプレーをしてはいけないと思ったし、同時に前半からこれまでの自分のプレーを考えたら、『俺は一体何をやっているんだ!』と思った。何もしていない。だからこそ、ここでボールを持って積極的に前に運んで行くことでチャンスを作らないといけない。みんなを助けるプレーをしないといけない」
 
 眠っていたエースとしての自覚が呼び覚まされた。すると61分、左サイドでドリブルを仕掛けると、一度は相手DFに引っかかるが、すぐに奪い返して、一気に相手を振り切ってカットイン。ペナルティエリア内まで進入すると、ニアサイドにフリーで飛び込んで来た途中出場のMF田中彰真の動きを見逃さなかった。シュートをちらつかせながらも、冷静に田中へマイナスのパス。これを田中が押し込んで、桐光学園が勝ち越した。

 

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