【総体】鎌田大地の母校・東山が全国初勝利!立役者となったのは…

2018年08月09日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

主将不在のチームで輝きを放ったのは、代わりに腕章を巻いた守護神!

強風の影響で難しい対応を迫られた荒木。すべての処理を冷静に行ない、試合を通じて大きなミスはなかった。(C)SOCCER DIGEST

  [インターハイ2回戦]東山0(5PK4)0尚志/8月8日/三重交通G

 近年、京都の高校サッカーと言えば、京都橘が全国にその名を轟かせている。2012年の選手権準優勝を皮切りに大舞台で上位進出を果たすと、昨年のインターハイでもベスト8進出の好成績を残した。

 しかし、今年は地区予選決勝で東山が京都橘を撃破。6年ぶり2回目となる夏の全国行きを決めたのだ。
 
 鎌田大地(フランクフルト)の母校として知られる東山は、プリンスリーグ関西に名を連ねる強豪校。2014年には2種年代最高の戦い・プレミアリーグにも参戦している(所属はWEST)。

 だが、京都橘の台頭もあって全国舞台に縁がなく、いまだに選手権へ出場した経験はない。夏のインターハイも12年度以来の参戦で、唯一の出場となったその大会では1回戦敗退。久々に挑む今回のインターハイでは、悲願の1勝を掴めるかに注目が集まっていた。
 
 そのなかで迎えた今大会。チームは2回戦からの登場となり、福島の強豪・尚志と対戦した。

 試合は序盤から強風の影響で拮抗した展開に。0-0で折り返した後半、東山は風下に立った。すると、相手の猛攻に晒され、防戦一方の状況になる。
 
 そこで存在感を示したのが、東山の守護神・荒木光汰(3年)だ。風の影響で相手のフィードが自陣深くまで伸び、目測を誤っても不思議ではない場面もあった。そんな難しい対応を迫られたなかで思い切りの良いプレーを連発。「五分五分のボールは全て任せろ」と言わんばかりに、積極的に飛び出してピンチをしのいだ。
 
 終盤には相手のミドルシュートを右手一本で阻止。超絶美技で絶体絶命のピンチを救った。
 
 試合は70分で決着が付かず、PK戦へ。そこでは相手の失敗により、勝ち星を拾う形となったが、悲願の全国初勝利は荒木の活躍なくしてはあり得なかった。
 
 試合後、荒木は初戦の緊張感もなく、平常心でプレーができたと振り返った。「自分自身、初めての全国大会。仲間と一緒に過ごして、リラックスをしていた。そして、監督も言っていたけど、全国大会だからといってよそ行きのプレーをするわけではない」という心構えが、尚志戦の活躍に繋がった。そのメンタリティーがあったからこそ、全国初勝利を挙げなければというプレッシャーに駆られなかったのだろう。


次ページPK戦にもつれる大接戦。荒木が苦しい時間帯に見たものは…

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