2位快走にも浮かない顔…FC東京の大森晃太郎が抱える"悩み"はいつ解消される?

2018年08月09日 佐藤俊

歓喜に沸いた神戸戦の後、足早にミックスゾーンを通り過ぎようとした選手がいた

長谷川監督の信頼を得ている大森だが、19試合・0得点と結果を残せていない。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 リンスが決めて、4万人を越えたファンを歓喜させたFC東京。神戸との苦しい試合に勝ち、首位・広島にぴったりと喰らいつき、選手たちの表情も明るい。
 
 だが、早々に一人でミックスゾーンに表れ、足早に通り過ぎようとした選手がいた。
 大森晃太郎である。
 
「しっかり最後まで粘って勝てたのはチームにとって大きいですし、こういうゲームを勝つことが上を目指すには必要なんで、ほんまに勝てたのは良かったと思います」
 
 淡々と語る表情には、その言葉とは裏腹に喜びがほとんど見えない。むしろ、なんとなく浮かない感じだ。
 
 試合前、スタメンを見た時、大森の成績を見ると18試合・0得点だった。
 
 大森は今季、新たにFC東京の監督に就任した長谷川健太の声に応えるように神戸から移籍してきた。長谷川監督からは「あいつは何も言わなくても分かっている」と絶大の信頼を得て、その信頼の証として12節まではスタメンでプレーしてきた。
 
 だが、13節の川崎戦と17節の横浜戦はベンチスタート。さらに、19節の鹿島戦は今季初めて試合に出場することができなかった。長谷川監督の求めるハードワークという部分では攻守において貢献しているが、大森のポジションは攻撃的MFである。チャンスメイクだけではなく、ゴールも求められるポジションだ。基本的に信頼は揺るがないにしても、やはり得点ゼロは指揮官とすれば「そろそろ決めろよ」と思うところではあるだろうし、そういう影響からも出番が限られてきているように見える。
 
 今回の神戸戦は、前の鹿島戦に出場できなかった分、大森の気持ちにも期するものがあったのだろう。プレーにアグレッシブさは見えた。だが、フィニッシュについては迷いがあるのか、なかなかシュートに至らない。87分にはドリブルで持ち込み、ボックス内に入る時に自ら決めるシュートチャンスがあったはずだ。だが、そのまま縦に突っ込み、折り返したが得点につなげることができなかった。長谷川監督は身体を揺らしてガッカリしたようなしぐさを見せた。
 
 シュートか、パスか。
 瞬時に判断する際、迷いが見える。本来、思い切りのいいプレーをする選手だが、前への威圧感がなくなっている。
 

次ページ無得点という現実が重石になっているようだ

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