Jリーグだけじゃない! 今夏も続々と大物がやって来るアジア移籍市場は大注目!!

2018年07月31日 佐々木裕介

2022年ワールドカップ開催国の揺るぎない誇り

今季も欧州からビッグネームがアジア市場にやって来ている。カタールにはガビ(右)、中国ではパウリーニョ(左/9番)が広州恒大に舞い戻り、新鋭タリスカ(左/24番)もチームメイトとなった。(C) Getty Images

 ロシアを舞台に行われた4年に一度の世界見本市が幕を下ろして2週間余り、夏の移籍マーケットがいよいよ本格化し、セラーとバイヤーの攻防は熾烈を極めている。
 
 メディアは連日、大物の移籍あれこれを発信、それに関わる数字はどれも一般人には理解不能な額ばかり。特に日本のサッカーファンからすれば、どれもが現実味のない異次元の話と言えるものだったが、そうした世界をより身近に感じさせたのが、アンドレス・イニエスタとフェルナンド・トーレスのJ移籍だったのかもしれない。「アス」「マルカ」「スポルト」といったスペイン本国の大手メディア各社は、極東の地で新たな挑戦を始めた彼らを追い掛け、また隣国のライバルたちを心底羨ましがらせてみせた。優越感に浸り、世界を近く感じられた夏となった。


 しかしだ。この夏の移籍市場で世界に話題を提供したアジアの国は日本だけではなかった。そんななかで、"ワールドカップを開催する国、カタール"と"ワールドカップの開催を夢見る国、中国"の動きに注目した。
 
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 4年後のワールドカップ開催国であるカタール。自国リーグである"カタール・スターズリーグ(以下、QSL)"は、名前の通りに選手も監督も知られた名前が並ぶ。
 
 この夏には、国内リーグ最多優勝回数を誇る名門アル・サッドSCが、アトレティコ・マドリー主将のMFガビの獲得を発表して騒がせた。これで元スペイン代表MF、シャビがチームメイトになり、アジア制覇(ACL優勝)を見据えて着々と補強が進んでいる。
 
 またアル・アハリSCは、元オランダ代表MFのナイジェル・デ・ヨングを獲得、半期前の冬市場での話にはなるが、アル・ガラファSCには同じく元オランダ代表MFのヴェスレイ・スナイデルが加入し賑わいをみせている。
 
 引退間際のビッグネームを連れて来ることから"年金リーグ"と揶揄されることもあるが、国家予算から潤沢な資金が降りて来るQSLは移籍話も派手なのだ。4年後のワールドカップ開催もあり、その動向からは今後も目が離せない。
 

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