F・トーレス、金崎、豊田…“超高級”な攻撃陣をフィッカデンティ監督はどう料理するのか

2018年07月29日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

得点数は名古屋と並びリーグ最少の15得点

豪華な攻撃陣をいかに活かすか。フィッカデンティ監督の手腕が問われる。写真:徳原隆元

[J1リーグ18節]鳥栖0-0磐田/7月28日/ベストアメニティスタジアム

 鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督は、スコアレスドローで終わった18節の磐田戦後の会見を、次のように言って締め括った。

「この順位にいるのは、まずおかしいことですし、受け入れられないと思っています。口の中に苦みを残してしまうような試合でした。改めてもう一度、この順位は選手を含め鳥栖に関わる皆さんにとって受け入れてはいけない順位だと思っています。そして、選手、チーム全員でこの状況から抜け出さないといけない。そして、この状況を全員でひっくり返さないといけないと、気持ちを新たにしています」
 
 リーグ18試合を終えた時点で、鳥栖は18チーム中17位と降格圏に沈んでいる。フィッカデンティ監督の言うとおり、この状況をひっくり返すことはできるのだろうか。
 
 間違いなくひとつの鍵となるのは、この指揮官の手腕だ。
 
 今夏、アトレティコ・マドリーから元スペイン代表FWのフェルナンド・トーレス、鹿島で昨季まで2年連続ふた桁得点を挙げた金崎夢生を完全移籍で獲得。さらに、韓国の蔚山現代から、鳥栖の最多得点記録(14得点)を持つ豊田陽平を呼び戻した。
 
 全治6か月の大怪我を負ったビクトル・イバルボ、脛を再手術したチョ・ドンゴン、顎を骨折した池田圭ら離脱者が続出したアタッカー陣だが、豪華絢爛な新戦力に加え、U-21代表の田川亨介、中盤とFWをこなせるテクニシャン小野裕二もいて、十分な手駒が揃っている。
 
 守備に関して言えば、湘南と並んでリーグで11番目の23失点と、大崩れをしているわけではない。ところが、得点数は名古屋と並びリーグ最少の15得点。18試合中9試合と半数がノーゴールという得点力不足に喘いでいる。
 
 フィッカデンティ監督は様変わりした攻撃陣を「ゼロからチームを作り直したような状況」だと言うが、まさに、ここからいかに攻撃のパターンを構築していくかが焦点だ。

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